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高知県警捜査費問題

守り神 

(夕刊「話題」)
(2004年1月27日・夕刊)
 元旦。窓から入る日差しの暖かさで、くつろいだ気分でいたが、同僚の電話で吹っ飛んだ。「未明に火事がありまして」と彼。取り立てて何かと思ったら、「夜須と香我美と野市で神社が5つ連続で燃えました」。ただの火事ではなかった。すぐに身支度をして家を出た。

 県警に向かう車中で思い出したのは平成8年の野市町の民家火災。年の暮れに連続放火されたもので、いまだに未解決だ。今回と時期も場所も似通っている。不気味さを感じた。さらに数日後、高知市の100円ショップでも、2日連続で商品が放火される事件が発生。実に嫌な年明けとなった。

 ある県警幹部は事件解決の鍵について「署の地力次第」と話した。普段から管内の住民から信頼され、事件の際にどれだけ多くの情報を得られるかが決め手になることを指したのだろう。新年早々、県警は大きな宿題を背負ったが、逆に地力を示す絶好の機会ともいえる。

 近年、不正が指摘されている捜査費の予算が国費、県費とも年々減少している。遅ればせながら警察組織の中にも「不正は許されない」という空気が徐々に広がり始めているためだと思うが、警察庁は社会情勢の変化を第一に挙げ、「刑事が足で情報を稼げない」と現状を嘆き、警察の地力が落ちていることを示唆した。

 江戸の時代なら火付けは極刑。住民の生命と財産を脅かし、不安に陥れるからだ。それにも増して今回は、大切に守り続けてきた精神的な支柱を一瞬にして失った。崩れ落ちた氏神さまを前にした住民の無念さはいかばかりか。せめてもの救いは事件の解決だろう。その期待に応えてこそ地域の守り神、県警の存在価値がある。(竹内誠)


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