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聖域許さぬ時代の波
(2003年12月21日・朝刊)
全国の警察で長く秘密にされ続けてきた捜査費問題が、本県で明るみに出た。約196万円の国費捜査費を県警本部捜査一課が警察庁に虚偽請求していたことが7月、本紙の取材で判明。県警は否定しているものの、本社世論調査でも捜査費に関し6割の県民が県警を「信用しない」と回答するなど、大きな波紋を呼んだ。
【写真説明】捜査費問題に揺れた県警。県費による激励慰労はやめることを決めた(高知市丸ノ内2丁目)
虚偽請求は、犯罪捜査に協力した民間人に情報提供謝礼などとして払う国費捜査費を捜査一課が警察庁に申請する際、架空の協力者を仕立てて精算書などの書類を偽造していた―という内容。まさに組織ぐるみの不正行為だった。
関係者は「全国の警察の長年の慣例だ」と話す。しかし過去に表面化した例は数少ない。なぜか。警察は捜査費に関しては「捜査上の秘密」を盾に、外部にはほぼ一切の情報をシャットアウトしてきた。会計検査院も「秘密の分野で認定が難しい」と腰が引け、身内である警察庁は黙殺。捜査費は聖域化され、外部からのチェックを許さない構図ができ上がってしまった。
しかし情報公開の流れが強まる中、社会は警察だけの聖域を許さない状況になっている。ここ5年間、マスコミや市民団体から捜査費など公費の不正支出の指摘を受けたのは高知県警のほかにも宮城県警、警視庁、香川県警。最近も、北海道警で捜査費の不正支出問題が地元新聞で連日のように報道されている。
そして、もう一つの聖域だった県・国費の捜査費からねん出される職員同士の飲食費「激励慰労費」の問題も、県民が知るところとなった。長期で困難な事件捜査に従事した捜査員に「簡素な激励」として1人3000円までの飲食費を認めるもので、これも全国の警察の慣例だった。
県警は13、14年度に66回もの激励慰労会を開催し、費用は約385万円に上った。県監査委員は支出中止を求める異例の意見を出し、県警も県費での慰労費支出をやめることを県議会で表明した。
激励慰労費も、次第に全国のマスコミが問題視して報道し始めた。警察が懸命に守ってきた聖域の扉が、少しずつだが開けられようとしている。
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