(2003年11月21日・朝刊「横顔」)

前任の大阪府警警備部長として、阪神タイガース優勝の雑踏警備を指揮してすぐの着任。県議会対応や警察署巡視、立て続けの選挙と忙しく、あいさつ回りを終えて一段落したと思ったら、もう11月。「ばたばたの着任」だったが、県警警務部長の経験(平成3年7月―4年9月)から顔と名前が一致する幹部が多く、「すんなり入っていけた」。
「大らかな人」と部下は評する。「自分一人では何もできない。『みんなで一緒に考えよう』の姿勢です。失敗すれば修正すればいい。失敗を恐れる組織では駄目です」と、議論の中から何かが生まれるのを期待する。
官舎の欄間にガラスが入っているのが目に留まり、ガラスを外すよう注文した。地震の際に割れ落ちる心配があったからだ。常に「万一の時」が頭にある。
「趣味がないから休日はもっぱら子守」というが、4歳のまな娘とプールに行く時も、緊急連絡に備えてビニール袋に携帯電話を入れて身に着けた。「結局、携帯電話は壊れましたけどね」と苦笑する。
こうしたエピソードも、経歴を見ればうなずける。9年から5年間、危機管理を学んだ。内閣官房安全保障室、警察庁に戻っても重大テロ対策官を務めた。それまでも警備畑が長く、危機管理のプロだ。
南海地震対策に本腰を入れる本県。「具体的な施策はこれからだが、積極的に県にお願いや提言をしていく」と目を輝かせる。
一連の捜査費問題、増え続ける犯罪、低下する検挙率。県民の目は厳しく、県警を取り巻く環境は近年になく厳しい。組織の危機管理にはどう取り組むのか。
捜査費問題は「説明が難しい」としながらも、「県警の仕事について、これまでは県民への『説明責任』の域で終わっていたが、これからは相手が納得する『説得』までいかなければいけない」と力を込める。
「ルールが変わったんだ、というぐらいの認識を持たなければいけない。仕事の質が問われてる」。警察官に意識の変革を促している。
【写真説明】黒木慶英(くろきよしひで)氏
高知県警捜査費問題トップへ
高知新聞フロントページへ