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【食料費判決】 公開に逆行する(2003年11月12日・朝刊)
行政の審議会の委員には学識経験者と呼ばれる民間人、各種団体のメンバー、一般市民が入る。もし、支払いを行政が持つ食事が出たとして、出席者は名前を伏せなければならないだろうか。 住民自治の原理に照らしても、近年の時流から言っても積極的に氏名を開示しなければならないはずだ。適正な公金支出だったかどうか、住民の判断を仰ぐのを妨げてはならないし、食事をしたことにして他に流用するような不正を防ぐ意味でも、非公開とする例外は認めがたい。 納税者の意識は確実に高くなっている。そうした成熟へと向かう住民自治の流れに反する、最高裁の判決が出た。 大阪市の食糧費の支出をめぐり、懇談相手の氏名や役職を全面開示するよう認めた二審判決を最高裁が一部破棄し、審理を大阪高裁に差し戻した。 判決は、法人や団体の従業員は職務であっても個人にとっては社会的活動としての側面があり、その氏名などは保護されるべき「個人情報」の範ちゅうに入るとした。 つまり、会社の仕事であっても個人の社会活動と重なり合うことを認めた。そのこと自体に異論はない。 しかし、判決の内容は、業務や法人の利益に直接かかわりのない会合であるなら社会活動と認められ、特定の個人が公費による飲食代を自由に使ってよい、と言っているに等しい。 納税者の立場からは許しがたいものだ。 高知県庁の闇融資事件で浮かび上がった病巣は、県職員が特定個人の「声」に抗せず公費を支出したことに始まる。そうした「闇」が跋扈(ばっこ)する芽を生みかねない判決だ。 本県をはじめ、職員に対する地方議員や個人からの口利きの文書化が進む全国的な傾向とも逆行する。 また、県警の捜査費の流用問題は民間協力者の氏名が非開示であることを逆手に取るような不適切な会計操作だった。公金が「血税」であることに対する認識の欠如にはあきれる。公費の使用については例外のない情報のガラス張り化が要る。 各地で条例の「私事に関する情報が含まれる場合は非開示」などとした一項を抜け道に、黒塗りの多い開示例はなくならない。 最高裁の判決もまた「黒塗り」の域を出ず、真の情報開示に踏み込んではいない。
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