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9月県議会・質問戦を振り返って 記者座談会(2003年10月4日・夕刊)
【写真説明】橋本知事に選挙資金調達疑惑がぶつけられた質問戦(3日、県議会予算委員会)
▼“爆弾質問”A いやあ、まいったよ。これほどの波乱の議会はそうそうないね。B 質問戦幕開けの「依光質問」はまさしく“爆弾質問”。橋本知事が初当選した12年前の選挙資金調達疑惑を、本会議場でいきなり公にしたんだからね。 D しかも、元事務局長が書いた裏金の証言文書を突き付けての質問。「政治家とカネ」の問題は政治責任に直結する問題だ。 A われわれも事前に動向を取材していたとはいえ、依光氏が一体どこまでやるのか、橋本知事がどう対応するのかは、正直言って確信は持てなかった。 B 知事は「全く知らない」と否定したけど…。 D 「知らない」という答え方は、スキャンダルが発覚した国会議員が「秘書がやったこと」と言い逃れるのと同じだ。 C 知事は潔白を立証できていないが、追及する側も疑惑を裏付ける物証を持ち得ていない。現段階では「疑惑」と言うしかないが。 A 依光氏が爆弾を落とすといううわさは、かなり広がっていたみたいだね。 B 満席状態になった傍聴席には知事の支持者や、裏金を提供したとされた建設会社の関係者の姿も見えた。 D 質問に対する議員の議事進行発言の応酬も激しかった。質問に異論を唱える共産党県議をやじる自民党県議の表情は鬼気迫っていたよ。 C 議会運営委員会が参考人招致に踏み切ったのも異例中の異例。これからの展開に県民の注目も集まっている。
▼4選出馬A そもそも9月定例会は知事が4選出馬を表明し、12年間の橋本県政をどう評価するかが最大のテーマだった。C 知事4期目の公約案は、住民の力を活用した支え合いの仕組みづくりを柱にした、良くも悪くも県庁組織より県民に軸足を置く知事のカラーが出ているね。 D 当然、公約案がらみの質問が多かった。 B でもその中味は、部局が検討してきた政策協議の内容とそっくり。論戦でも、政策協議か公約案かどっちを聞いているのか分かりにくかったよ。 D それに、公約案は政策協議のおいしいところをつまみ食いしたような印象もあって、「知事らしくないシャープさに欠ける学生の論文」とこきおろす県議もいた。 C ただ、庁内の心臓部、財政課の仕事の30―50%を外部委託する案は職員では思いつかないし、職員を大幅に地域に派遣する方針やNPO支援を評価する向きもあった。 A 確かに財政課の話には驚いた。「正直言って難しい」という担当部局の本音が飛び出したかと思うと、「まだ案の段階だから…」と知事の答弁もトーンダウン。執行部と議会の関係というより、知事と職員の溝が浮き彫りになったね。 B 一方で県議がどこまで公約案を読み込んでいたのか疑問だ。選挙資金疑惑の追及はしても正面から知事に政策論議を挑み3期12年の橋本県政の評価を明確な切り口で分析する質問が少なかったのは残念だ。 A もっともそれだけ「依光質問」が激震だったとも言えるのだが…。
▼長い1日B 参考人からの意見聴取は、議事運営という「内輪」の話をする議会運営委員会を一般に公開して行った。県議会史上初めてのことだ。異例ずくめの今定例会を象徴していたね。A 内容、成果はどう映った? D 親知事派、反知事派の色合いが明確に出ていた。信ぴょう性を頭から否定する“弁護”側と、疑惑究明へ細かく追及する“検察”側という感じだったな。 C 物証が出ないのはある程度予想できた。何しろ裏金の世界だからね。元事務局長の発言はかなり具体的だが、信ぴょう性については議論が分かれる。 B 今後の展開は不透明だ。物証がないから着地点が見えない。 A 特別委員会の設置など、今後の県議会の対応も決まっていない。県内政界は「政局の秋」だから、県議にも余裕がないだろうし。 D 参考人を招致した3日は、松尾徹人高知市長が知事選出馬の意向を明らかにした。県議会の激震が「お堀」の南側まで波及した印象だ。 B いや、むしろ連動しているんじゃないか。自民のベテラン県議数人は、質問戦の最中も席にいないことが多かった。お堀を渡って市長と会ってもいたようだし。 C 昭和46年当時の溝渕増巳知事と氏原一郎元高知市長によるお堀を挟んだ因縁の対決、その再来か。県民の関心も高まるだろう。
▼政策課題A 波乱続きでかすんでしまったが、県政課題の議論は十分だったか。D 南海地震に備えた対策推進条例の提案や、法定協の“破談”が相次ぐ市町村合併で県の支援を求めるなど、多様な質問が出たよ。 C 県警が県費捜査費の慰労費支出を中止したのは、捜査の秘密を盾にした隠ぺい体質からすれば前進じゃないか。 B いや、国費は続けるというし、捜査費返還にも応じていない。財政当局は「県費をやめるなら…」と“手打ち”の雰囲気。虚偽請求は不問にされた感が強い。 C ところで、今議会の直前の自民党総裁選では小泉再選で改革路線の継続が決まった。三位一体の改革は県民生活を直撃しそうだが、県財政に対する質問があまりに乏しい。予算編成方針決定を前にした定例会としては物足りなかったね。 D 執行部答弁も危機感の強調や慎重姿勢に終始した。国からの権限と税源の移譲が不明確だから仕方ないにしても、もう少し具体的なビジョンがほしかった。 A いずれにしても、年末までは選挙がめじろ押しだ。政局から目が離せないが、身近な政治課題も見逃さずチェックを強化していこう。
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