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(2003年8月19日・朝刊)
6年前に奇妙な裁判があった。警視庁赤坂警察署を舞台にした公金返還訴訟。捜査協力を名目に、架空の参考人に日当を支払ったことにした、と訴えられた同署幹部ら7人が、判決を前に原告の請求を認諾した。
認諾、つまり被告が非を認めること。事実、被告7人は約43万円を返還したが、問題は尾を引いた。警察側が「認諾によって裁判を終結させただけで、違法行為があったと認めたわけではない」とコメントしたのだ。
非を認めても、不正を認めたことにはならない、という珍妙な理屈。警察側は「不正がなかったことを証明するには、参考人のプライバシーを明らかにする必要がある。そうすると今後の捜査協力が得られない」と国会で説明している。
警察組織として最優先させたのは「捜査の秘密」の死守。その秘密主義は県民、国民に対してだけではないようだ。きのうの本紙に、宮城県警の捜査費問題を抱える浅野知事へのインタビューが載っていた。
捜査費の公文書開示訴訟で知事は被告の身。捜査費の実情を知ろうと県警に申し込むと断られた。「捜査員の士気にかかわる」。県民が選び、県政を代表する責任者も、例外扱いにはしない。強気の根拠は何なのか。
高知県警の捜査費虚偽請求問題。真相解明を求める動きの前に、秘密の壁が立ちはだかる。赤坂署、宮城県警問題と、構図はうり二つ。情報開示の流れに背を向けて、警察組織は何を守ろうとしているのか。民の信より重いものがある、とでもお考えか。
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