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監査逃れ 巧妙に工作 印鑑を幹部が保管、押印(2003年7月24日・朝刊)
県警の捜査費虚偽請求問題で、捜査員が書いた申請書類と、現金を受け取ったとされる協力者の領収書の筆跡を変えるなど警察庁への請求に当たって巧妙な偽装工作が行われていたことが、23日までに高知新聞社の調べで分かった。会計検査院や警察庁の検査・監査を逃れるためとみられ、捜査員は虚偽の申請書類と知りながら、上司の求めに応じて作成に協力していたという。 この問題は、県警本部捜査一課が捜査に協力した民間人に支払う国費分の捜査費を虚偽請求していたもので、同課が昨年4月から10月までの7カ月間に、架空の協力者を仕立てるなどの手口で請求書類を偽造。警察庁に約196万円の捜査費を虚偽請求していた。 本紙の調べや複数の県警関係者によると、協力者とされる人物は主に電話帳から抽出した架空の人物。判明した7カ月間だけで27人に上っている。 国費分の捜査費は3カ月ごとに警察庁に見積額を要求。交付金が県警の各部署に配分され、後に使った金額を精算することになっている。捜査一課は、精算の過程で虚偽の申請書類を作成していた。 捜査費請求の際には、捜査員が精算書を作らなければならないが、同課の会計担当者が金額や協力者の氏名をあらかじめ記した下書きを基に、捜査員が記述。捜査員の印鑑は幹部がまとめて保管し、精算書に押印していたという。 捜査員が協力者と接触した日はすべて平日になっており、これも偽装工作の一環。休日だと、監査などで捜査員の出勤簿と照合された場合、でっち上げが発覚する可能性があるからだという。 また、現金を受け取ったとされる協力者の領収書を添付することになっているが、架空の協力者27人に対する計42件の捜査費請求のうち、領収書がないものが30件。これは「協力者が領収書への署名押印を拒否した」ことにしていた。領収書を添付する場合は別の捜査員が記入し、筆跡が合わないようにしていたという。 こうした偽装工作は、すべて会計検査院や警察庁の検査・監査への対策とみられる。また、その偽装手法は長年にわたって担当者が引き継いでおり、これまで検査・監査などで問題を指摘されたことはなかったという。
県議会総務委員にきょう県警が説明今回の問題で県議会総務委員会の森田英二委員長は23日、県警に事実関係の説明を要請。24日夕、総務委員が県警から説明を受けることになった。森田委員長は「捜査費の虚偽請求報道について、県警から事実関係の説明を受けた上で、8月の総務委員会で正式に対応したい」としている。 県警の太田昭雄本部長は23日午前、県庁に橋本大二郎知事を訪ねた後、県議会総務委員会の森田委員長、朝比奈利広副委員長に「不正はしていない」などと説明に回った。
「これ以上調査せぬ」 鈴木警務部長 報道を否定捜査費虚偽請求問題で県警の鈴木信弘警務部長は23日、報道各社に対し「捜査費は適正に処理されている」と述べ、あらためて本紙の報道を否定した。鈴木部長は「報道されたことは事実ではなく、捜査費をはじめとする予算は適正に処理されている」と説明。報道内容を否定する理由については「取材の根拠が明らかではない」とし、「(捜査一課の)担当者に事実関係の確認をしたところ、問題はなかった」と述べた。 報道陣から「それならば記事に対する抗議はしないのか」と聞かれ、同部長は「捜査費の性質上、具体的な事実を指摘して抗議するのは困難だ」との見解を示した。納得しない報道陣が「これだけ書かれてなぜ抗議しないのか」と詰め寄ると、同部長は「捜査に支障を来すからだ」と突っぱね、「現時点ではこれ以上の(内部)調査は必要ない」と述べた。
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