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巨大南海地震に周期性 岡村・高知大教授ら調査

龍神池で採取した堆積物。中央の黒っぽい部分が巨大津波で堆積した砂の層  およそ100年に1度のペースで発生する南海地震のうち、特に巨大な地震は平均500年周期で繰り返されていることが9日までに分かった。高知大学理学部の岡村真教授らの調査チームが、大分県で行った堆積(たいせき)物調査から割り出した。前回の巨大南海地震は300年前。同教授は「次の南海地震が小さいのか大きいのかは、非常に大事な問題。その手掛かりになるかもしれない」と話している。

 堆積物の調査が行われたのは、大分県佐伯市米水津の龍神池(約1万5000平方メートル)。岡村教授らの調査チームは、一昨年から昨年にかけてこの池で掘削調査を行った。

 龍神池は海とつながっており、周りでは過去の南海地震による津波の跡が確認されている。同教授らは津波が池にまで押し寄せた場合、泥の層の間に津波が運んだ砂の層ができているはずだと推測。独自に開発した機械(バイブロコアリング)で厚さ5・5メートル分の堆積物を採取、砂の層に混じった葉や貝殻の炭素から年代を割り出した。

 調査結果は予想以上にクリアだった。岡村教授によると、「3500年前までの履歴が連続的に層になり、ほとんど完ぺきに残っていた」という。その理由は龍神池の立地条件。同教授は「これまで人の手が入っていない半島の先にあったため」と説明する。

 津波で形成されたとみられる砂の層を詳細に分析した結果、1707年に起きたマグニチュード(M)8・6の「宝永南海地震」と1361年の「正平南海地震」、684年の「天武南海地震」に相当する履歴があることが判明。さらに古い4つの地震の履歴も見つかり、最も古いものは紀元前1300年―1500年の津波の跡だった。

 半面、堆積物にM8・4の「安政南海地震」やM8・0の「昭和南海地震」の履歴はなかった。

 高知大の松岡裕美助教授によると、「天武南海地震」は「高知がかなり水没し、地震後に東の方で火山が噴火したとされている。大きな地震で、宝永の南海地震と同規模だと言われてきた」。

 こうしたことから、調査チームは「『宝永』級の巨大地震だけが堆積物に津波の履歴を残した」と推論。宝永以前の計7つの巨大地震によるとみられる津波の履歴を分析した結果、平均500年に1度の間隔で残っていたことが分かった。つまり、「南海地震は約100年に1度だが、その中に巨大な南海地震が周期的に交じる」という構図だ。

 3500年という長い期間で周期性が明らかになった意味は大きい。

 岡村教授は「次の地震が宝永規模なのか昭和規模なのかは非常に大事。昭和だったら死者は何十人単位かもしれないが、宝永が来たら何千人規模になるかも」と指摘。「300年とか500年という周期は数千年という歴史がないと判断できないが、それが証明できそうなところまできた」と話している。

 【写真説明】龍神池で採取した堆積物。中央の黒っぽい部分が巨大津波で堆積した砂の層


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