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室戸岬沖のGPS津波計 津波事前検知に成功
5日夜に発生した紀伊半島沖地震で、東大地震研究所などが室戸岬沖に設置している衛星利用測位システム(GPS)を搭載した津波計が、津波が室戸岬に到達する12分前に第1波を観測した。到達した津波の高さも事前の計算値通りで、同研究所は「陸上に被害をもたらすような規模の津波であれば、正確な事前検知が可能だ」と自信を深めている。
【写真説明】室戸岬沖に設置されているGPS津波計。同岬に津波が到達する12分前に第1波を観測した(東大地震研など提供)
津波計は南海地震による津波を早期に察知しようと4月、同研究所などが室戸岬沖南南東13キロに設置した。高さ16メートル(海面上7・5メートル)、直径3・4メートルで、GPSにより海面の変動を1―2センチの精度で計測。津波の波高や到達時間を割り出し、情報を陸上基地局に自動送信する。1年間の予定で観測実験を続けている。
地震は5日午後7時7分と、同11時57分の2回発生。室戸岬には、それぞれ最大波高30センチと50センチの津波が到達した。
このうち2回目の地震では、発生から27分後の6日午前零時24分に、津波計が設置位置の水位低下を検知。最大で10センチの波高を観測した。同研究所によると、室戸岬へは同36分に津波の第1波が到達しており、12分前に観測したことになる。
同研究所が実施した東南海・南海地震シミュレーションでは、室戸岬到達時の津波の波高は、津波計設置位置の波高の約5倍という計算結果が出ており、今回の最大波高50センチと一致する。同研究所の加藤照之教授は「(シミュレーションに沿った)良好な結果。津波計による観測値の妥当性が検証できた」としている。
ただ、1回目の地震による津波について、加藤教授は「波高が小さい津波の場合、津波計の設置位置での波高も数センチ単位。その観測値から津波と解析するのは難しい」とし、小規模の津波観測の難しさを課題に挙げている。
(2004年9月8日付朝刊掲載)