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![]() ―― 関連ニュース ――南海・東南海同時地震 想定死者は最大7400人
【図・上】中央防災会議専門調査会が発表した東南海・南海震度分布予測図 本県の震度6弱の区域は、6強以上の区域を取り囲む沿岸部全域に分布。山間部のほとんどは震度5強で、嶺北地域や高岡郡の一部が5弱。内閣府は「高知県の直下が震源域にかかっているため」(地震・火山対策担当)としている。 津波については、平均潮位時、満潮時とも幡多郡の豊後水道側など一部を除くほぼすべての海岸線が5メートル以上の波高区域。室戸岬や足摺岬を中心とした海岸線に10分以内に20センチの津波が到達、30―40分以内には、ほぼ全域の海岸線に2メートルの津波が到達すると予測している。 【図・中】海岸における津波の高さの最大値分布 一方、海岸における最大波高は、土佐清水市や幡多郡など県西部で10メートル以上と予測。高知市や須崎市など県中央部は最大8メートル程度だが、地震と同時に地盤が約2メートル沈降する要素(室戸市付近は隆起)があり、実質的に10メートル以上に達する地域も想定されている。 また建物全壊棟数とそれによる死者数は、ブロックごとに公表。中国・四国地区は、揺れと液状化で約4万8000戸が全壊。死者は発生時間が午前5時で約1700人、正午で約700人、午後6時で約900人としている。ただし津波や火災を加えれば、規模はさらに拡大する見通しだ。 【図・下】東南海、南海地震の想定被害 全壊棟数と全壊による死者数 調査会では今後、南海地震単独で発生したケースや津波被害による影響なども検討。来年夏ごろに、東南海・南海地震に対する防災対策を重点的に実施する推進地域を指定する方針。 東海と連動発生も【解説】日本の陸側のプレートと、沈み込むフィリピン海プレートの境界面で、約100―150年間隔で発生する東南海・南海地震は、いつ起きても不思議でないと警戒される東海地震とメカニズムは同じだ。駿河湾から紀伊半島、四国沖にかけては、フィリピン海プレートに引きずられて陸のプレートがゆがみ、反発して一気にエネルギーを解放するときにマグニチュード(M)8クラスの巨大地震が起きる。 震源域が浜名湖沖以東を東海地震、浜名湖沖から潮岬沖までを東南海地震、潮岬から足摺岬沖を南海地震と分けている。 1605年と、1707年には3つの地震が同時に発生。1854年には東海と東南海の2地震が同時に起き、その32時間後に南海地震が起きている。 最近では1944年に東南海地震、2年後の46年に南海地震が発生。このとき東海地震が起きなかったことから、まだエネルギーが解放されていない東海の地震が差し迫っているとみられている。 前回の東南海・南海地震から60年近くが経過しており、東海地震があと10年間発生しなかった場合は、東南海・南海地震と連動する可能性も指摘されている。 県「地域状況踏まえ検討」 独自調査に反映へ24日公表された、政府の中央防災会議の専門調査会による東南海・南海地震の被害想定などについて、県は「より詳細な地域状況を踏まえた検討が必要だ」として、市町村とともに実施している独自の第2次被害想定などに生かしていく考えだ。県はこれまで、平成4年度にマグニチュード8で被害想定を割り出し、11、13年度には2次にわたる津波防災アセスメント調査も実施。今回の調査会の検討結果では、県の想定で全県で1443人だった死者が中四国で700―1700人とされたり、震度6弱だった高岡郡が海岸部を中心に震度6強以上となるなど、データに違いもあった。 県消防防災課は「前提条件や解析方法に差があるため」と分析。今後、詳細な検討結果が順次公表されることも踏まえながら、「施策の基本は『強い揺れから身を守る』『津波から逃げる』『防災に強い人・地域づくり』だ。本県は南海地震対策を15年度以降の重点課題に位置付けており、国の考え方や最新の研究は積極的に取り入れていく」としている。 遅れる国の観測態勢広い範囲で激しい被害が予想される東南海・南海地震。7月に成立した同地震対策特別措置法を受け、気象庁など関係省庁は一斉に想定震源域の観測強化に乗り出したが、「予知の可能性あり」とされる東海地震並みの観測網にはほど遠いのが現状だ。東南海・南海地震の場合、予想される震源は陸から遠く離れており、地震の予兆をとらえるには海底の観測が欠かせない。気象庁は2003年度、定期的に海底の地震データを収集できる「自己浮上式」地震計を紀伊半島沖に設置。海上保安庁も海底の地殻変動をとらえる観測点を新設する。 しかし、リアルタイムでデータが得られるケーブル式の海底地震計の設置には数十億円というコストが大きな壁になる。文部科学省が潮岬沖に、気象庁が東海地震との両にらみで遠州灘に、それぞれ計画していたケーブル式地震計は本年度の補正予算では認められなかった。 東海地震の想定震源域には岩石ひずみ計や傾斜計などが集中的に整備され、世界でも例のない大規模な監視態勢が取られている。東南海・南海地震については「将来予知が可能なのかどうかも分からない段階」(気象庁)で、当面は基礎的データの蓄積が急務だ。 (2002年12月25日付朝刊掲載) |
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