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南海地震全壊2万棟 損保料率算出機構が予測
東南海地震が起きれば揺れによって住宅約18万棟が全壊し、南海地震では最大約6メートルの津波が襲う―。損保45社でつくる損害保険料率算出機構は25日までに、東海、東南海、南海の3地震に関する独自の被害想定をまとめた。東南海地震の被害をほぼ東海地震並みと予測し、最悪の場合、火災で焼失する住宅はどちらも2万5000棟前後に達すると試算している。
被害想定は、揺れ、火災のほか、上水道や電力などのライフライン、交通機関への影響、津波の規模など6項目。「広域的な被害全体のイメージを描いてほしい」(同機構)と、過去の被害事例などを基にしたシミュレーションで具体的な被害状況を予測した。
想定結果では、揺れによって被災証明上の「全壊」にほぼ相当する被害を受ける住宅は、東海地震が約19万9000棟(ほかに事業所が約1万6000)、東南海が約17万6000棟(同1万4000)、南海が約2万1000棟(同2000)に上ると予想。南海は冬の夕方の場合、約40件の建物火災が起き、約6000棟が焼失するとしている。
高知で約6メートルの津波に見舞われるなど、四国南岸や紀伊半島、駿河湾で最大3―6メートル近い津波の発生を予測した。
東海、東南海の両地震で震度6強以上が予想される市区町村内には、危険物の製造、貯蔵、取り扱いを行う施設が計約2万9000あることも指摘した。
東海地震について政府の中央防災会議は8月、今回の予測とほぼ同じ約23万棟が倒壊し、8000人を超える死者が出るとの想定を公表。東南海、南海地震の被害想定も来年初めの公表を目指し、専門調査会で検討を進めている。
同機構研究第一グループの坪川博彰リーダーは「三つの地震は阪神大震災とは違い、極めて広い範囲で被害が発生する。単純に数字に振り回されてはまずいが、企業の災害マニュアルづくりなどに活用してほしい」と話している。
東海、東南海、南海の3地震 関東から四国にかけての太平洋沿岸で100年―150年周期で大きな被害をもたらすマグニチュード(M)8クラスの巨大地震。駿河湾周辺を震源域とする東海地震は常時監視の対象になっている。南海トラフを震源とする東南海地震と南海地震は、同時か近接して発生する恐れが大きい。政府の地震調査研究推進本部は「東南海、南海両地震が今後30年以内に発生する確率は40―50%」とみて、来年度から重点的に観測強化する方針。
被害想定結果(損害保険料率算出機構作成)(※は消防庁発表)
想定地震 想定項目 |
東海地震 |
東南海地震 |
南海地震 |
1995年 阪神大震災 |
| 地震の規模(マグニチュード) |
8.0 |
8.1 |
8.4 |
7.2 |
揺れによる建物被害 (被災証明の全壊にほぼ相当する棟数) |
住 宅 事業所数 |
約19.9万棟 約1.6万 |
約17.6万棟 約1.4万 |
約2.1万棟 約0.2万 |
※10万4906棟 |
火災による建物(住宅)被害 (焼失棟数、冬の夕方) |
出火件数 焼失棟数 |
約1000件 約2.5万棟 |
約1000件 約2.8万棟 |
約40件 約0.6万棟 |
※261件 6148棟 |
ライフラインへの影響(住宅) (発災後の機能停止数) |
上水道 電 力 ガ ス |
約211万棟 約105万棟 約208万棟 |
約212万棟 約93万棟 約214万棟 |
約62万棟 約31万棟 約59万棟 |
※約130万戸 約260万戸 約86万戸 |
| 震度6強となる市区町村の危険物施設数 |
約1.5万 |
約1.4万 |
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(2002年11月25日付夕刊掲載)