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地震発生予測 「昭和南海」より大規模 急がれる県の施策

 政府の地震調査研究推進本部地震調査委員会が27日発表した南海地震の長期評価は、「次」の南海地震に関する政府の初の公式見解。従来の研究者レベルの指摘と大きく変わるものではないが、数字による発生確率や地震の規模の予測に踏み込んだことで、本県の地震防災の施策にも大きな影響を与えそうだ。

 長期評価で注目されるのは時間予測モデル。次の南海地震の発生確率を10年以内で10%未満、30年以内には40%程度、50年以内は80%程度と位置付けている。

 これについて、高知大理学部の岡村真教授=地震地質学=は「統計学的には妥当と思う。最新のデータに基づいており、研究者によってばらつきのあった発生時期について、確率で表現したことは意義があるのではないか」と指摘する。

 長期評価はまた、次の地震の規模を、単独で発生した場合でもマグニチュード(M)8・4前後、東南海地震と同時発生した場合はM8・5と推定。M8・0だった昭和21(1946)年の南海地震より、はるかに規模の大きな地震を予想している。

 岡村教授はこれを「昭和の地震に引きずられない、極めて妥当な判断」と評価。同大の高知地震観測所の木村昌三所長も「昭和の南海地震の規模がそれ以前より小さかったことを考えれば、次回は安政の地震(1854年、M8・4)クラスを覚悟した方がいい」と指摘。両氏とも、より具体的な発生予測のため、海底を掘削して地震発生域を直接観測するなどの新たな調査研究の必要性を強調する。

 一方、政府による公式の予測発表を受けて、本県の地震防災の施策も急がれる。

 高知市内の建築物の耐震状況を調査している高知工科大の中田慎介教授=建築耐震工学=は「次の南海地震は震度6強の揺れを覚悟すべきだろう。津波だけでなく、甚大な建物の倒壊被害も予想される。高知市も地区によっては古い木造住宅が多く、一人暮らしのお年寄りも多い。また市東部は軟弱地盤に住宅地が広がっている。人命を守るためには地区ごとにきめ細かい被災予想を立てることが大事」と話す。

 県は10月から緊急に、県津波防災アセスメント調査事業の二次調査をまとめる計画。堤防など海岸構造物を考慮した沿岸市町村の津波の危険度を調査するほか、従来M8・0で予測していた市町村別の震度予想をM8・4に引き上げ、海岸構造物の震動に対する強度も調査する。

 県の池田憲治総務部長は「政府の初めての公式見解として重く受け止めている。南海地震対策は本県にとって避けることができない課題であることをあらためて実感する。本県としては、地域防災計画の見直しに評価結果を反映させたい」と話している。

2001年9月28日付朝刊掲載


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