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アイランドリーグ 地域貢献の種育つアイランドリーグは日本初の野球の独立リーグとして2005年、この四国の地に産声を上げた。昨シーズンから九州2チームが参加。「四国・九州アイランドリーグ(IL)」として、5年目のシーズンを迎えている。発足当初より、リーグは地元密着、地域貢献を大きなテーマとして掲げ、野球以外にもさまざまな活動に取り組んできた。地域の人たちから「古里の野球チーム」として愛着を持ってもらうため、奮闘する球団の姿を紹介する。 FD 農業従事に情熱
【写真】「ドッグス畑」でファンと一緒にサツマイモを植えたナイン。ユニホーム姿の作業で、しっかりアピールした(6月、南国市大嚔ウ) 南国市の芋畑 収穫間近高知ファイティングドッグス(FD)が目指す地元密着のキーワードは「農」だ。 南国市大嚔ウの田園地帯、周りとは趣の異なる一角がある。周囲には高知FDの黒と赤の球団カラーののぼり。名付けて「ドッグス畑」。手入れの行き届いたサツマイモが、間近に迫った収穫を待っている。 FDは発足当初から小学校の田植えや稲刈りに参加したり、試合や練習の合間に農家の手伝いに出向いたりと、農作業にかかわってきた。 ただ、今回の「ドッグス畑」は球団が主体的に農業に従事し、生産者となることが主眼だ。将来的には「農」で収益をあげることも目指している。 活動を進める北古味潤球団本部長(34)は「高知県は1次産業が基幹。地域に根を下ろす球団が、農業に無関心であってはいけない」と話す。この「農業への情熱」を知り合いの農業者らに話すうち、理解者が現れた。 南国市の農家、前田良一さん(36)が約420平方メートルの農地を提供。球団がサツマイモ栽培に挑むことになった。 6月、練習前のナインもユニホーム姿で参加して、苗を植え付けた。グラウンドとは違う土との触れ合いに最初は戸惑っていたが、慣れれば共同作業はお手のもの。半日で植え付けを完了した。 約3カ月が経過し、畑は一面に緑色のつるで覆われ、イモの生育もまずまず。シーズン終了のころには、まとまった量が収穫できそうだという。 活動は始まったばかりだが、北古味本部長らの描く夢は広がる。「選手は農業の広告塔になるだけでなく、労働力としても協力できる。耕地面積が拡大すれば、地域雇用の受け皿にもなれるはず」 打って、投げて、耕して…。まさに地に足を着けながら、夢を追い掛けていく。
本業はV射程 実りの秋目指せ7期ぶりの優勝を目指す高知FDは、投打とも総力戦で負けられない戦いを続けている。 シーズン当初から「攻撃野球」を前面に掲げてきた。後期は1試合平均4・7得点でリーグトップ。打力で圧倒する持ち味を発揮している。 軸になるのは、ベネズエラ出身のカラバイヨ。開幕から不動の4番は18本塁打、75打点でリーグトップに立ち、首位打者争いにも加わっている。 切り込み隊長の山伸も打率上位。持ち前の俊足を生かし、出塁すれば果敢に次の塁を狙い好機を広げている。 終盤戦に差し掛かり存在感を増しているのが古卿、梶田、中村のリーグ1年目から在籍しているベテラン組だ。古卿、梶田は勝負強い打撃で得点機を増やし、中村は持ち前の長打力が戻ってきた。西本、流ら若手も調子を上げており、ここへきて攻撃力はぐっと厚みを増した。 一方、投手陣には不安材料もある。夏場を過ぎ、先発陣の野原、伊良部が故障で戦列を離れた。 しかし、その穴をカバーしているのが、今季急成長した左のエース吉川だ。防御率1点台でリーグトップ。連投が利くスタミナもある。 主に中継ぎだった山中(伊野商高出)、山隈は9月12、13日の徳島戦で先発。ともに自責点0と結果を残した。ジョン、武田(伊野商高出)も球威が増してきている。 6月から合流した元阪神の伊代野はここまで9セーブ。守護神につなぐ理想型は出来上がった。 昨年の後期、優勝争いは最終節までもつれ込んだが、あと1ゲーム届かなかった。その悔しさを晴らす好機。チーム一丸で、リーグ2年目前期以来となる優勝の美酒を目指す。 【写真】13日の徳島IS戦で適時打を放つ古卿。後期優勝へ向け、一層の打線の奮起が必要だ(室戸マリン球場) 各地で密着さまざま愛媛MP 県教委と連携し教室愛媛県教育委員会とタイアップし、この夏から中学校8校で野球教室を開いている。 松山市の高浜中軟式野球部には決まったメンバーが月2回訪問、生徒の成長に合わせアドバイスを送る。 お互い、顔も名前も把握してコミュニケーションも十分。2年生の向井竜矢君は「練習試合でヒットが打てた」と交流を楽しむ。 下校児童への付き添いや施設慰問も昨年は160回行った。 香川OG 美しい浜守る清掃活動南北約2キロに広がる遠浅の浜辺と巨大な「寛永通宝」の銭形砂絵で知られる観音寺市の有明浜で8月31日、ファンや地元の少年球児、企業関係者ら約200人とともに清掃活動を行った。 最初に西田監督が「野球はチームワークが大事。同じように心を一つにして集めよう」と激励。厳しい残暑の中、参加者は選手と談笑しながらペットボトルなどを拾い集めた。海岸線に打ち寄せるゴミは何度、回収してもなくならない。球団は美しい浜を守るため毎年、活動を続ける方針。 徳島IS 小中学生と積極交流8月末、阿南市で小中学生50人を対象にした野球教室を実施。斎藤主将ら6選手が一日先生役となり、走攻守の基本を約4時間教えた。 選手たちが見せる迫力あるスイングや投球、スピード感あふれる動きに目を輝かせ、なかには緊張で背筋を伸ばしたままの子も。それでも次第に慣れてくると「ゴロを捕る時の足の運び方を教えて」などと積極的に発言していた。 参加した生徒が公式戦のボールボーイを務めるなど交流も活発だ。 福岡RW 鍛錬に使う海岸を清掃森山監督、選手ら約30人が8月18日、少年野球教室と海岸清掃で地元の小学生約60人と交流した。志摩町の引津運動公園で開かれた野球教室では「野球の楽しさを感じてほしい」(森山監督)と約3時間、キャッチボールやティー打撃などで指導した。終了後には近くの寺山海岸で清掃活動。1時間ほどで約30袋のゴミを集めた。同海岸は砂浜をランニングする選手も多い。国信主将は「きれいになってよかった。走るときも気持ちいいですから」とほほ笑んだ。 長崎St 朝のハイタッチ運動地域貢献プロジェクトとして、登校中の児童を対象にした「朝のハイタッチ運動」を実施。ユニホーム姿の選手が佐世保市内の小学校の校門に立ち、元気に子どもたちとハイタッチ。昨年から実施しており、子どもたちの反応は上々だ。 また、地元酒造会社と「エコプロジェクト」にも挑戦。醸造時に出る焼酎かすを肥料に、原料のサツマイモを栽培するリサイクルに取り組んでいる。チーム唯一の農業高校出身、松井二塁手を先頭に、秋の収穫祭を目指して奮闘中。 (2009年9月18日付朝刊)
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