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V4狙う依田碁聖 若手最強の張名人 2006年7月18日
囲碁夏の陣、第31期碁聖戦(本社など主催、レノボ・ジャパン協賛)の五番勝負が6日に開幕する。4連覇・通算7期を目指す依田紀基碁聖に挑戦するのは、張栩名人・王座だ。一昨年、本因坊戦、名人戦と連続して碁界の覇を争った2人が再び、碁聖戦を舞台に激突する。依田が最強の若手を退け4連覇を果たすか、張が冠を増やし第一人者の地位を不動にするか。まさに夏の陣にふさわしい戦いだ。
▽因縁の二人
小林光一、趙治勲が全盛を誇った時代が過ぎると、囲碁界は混戦期を迎えた。名人位4連覇で波に乗る依田が張本因坊に挑戦、勝てば「依田時代」が訪れるとみられた。しかし張はそれを許さず依田を退けたばかりか、逆に依田から名人位を奪い取り、王座と併せ3冠を占めた。
囲碁界はこのあたりから張、山下敬吾、羽根直樹、高尾紳路の「若手四天王」時代へ移り、そして今期、張は依田の虎の子である碁聖に照準を合わせてきた。今期五番勝負は、四天王の後塵(こうじん)を拝する依田が、世代交代阻止と復権を懸けた戦いになりそうだ。
▽上り調子
張のタイトル挑戦は2年前の名人戦以来。ライバルの山下棋聖が矢継ぎ早にタイトル戦登場・敗退を繰り返すのとは対照的に、満を持しての挑戦という感がある。今年の成績は23勝5敗と好調で、現在12連勝中。2冠を保持している点では「四天王」のリーダー格といえる。また今春、夫人の小林泉美女流最強位との間にまな娘・心澄ちゃんが誕生、公私共に充実の一途だ。
迎え撃つ依田は、数年来の不調をようやく脱した。昨年は棋士になって初めて負け越しの危機に遭遇、辛うじて26勝26敗と5割を保った。しかし今年は2、3月にかけて9連勝、特に農心杯世界最強戦(団体戦)での3連勝は日本チームを初優勝に導いた。また挑戦は逃したが本因坊戦で挑戦者決定戦に進出した。
▽戦力比較
依田は「捨て石の名人」の異名を取り、卓越した構想力で中盤までにリードを奪い逃げ切るのが得意だ。対する張は読みの鋭さとヨセの正確さを持ち味とし、多少の劣勢はものともしない。
現時点で棋聖、名人、本因坊の3大リーグに同時に席を確保しているのはこの両者のみ。好調度がうかがえる。対戦成績は依田の9勝15敗と偏るが、張が圧倒していたのは初対局からの数年間で、ここ3年ほどは拮抗(きっこう)し最近の棋聖、本因坊両リーグでは依田が連勝している。
▽好勝負
碁聖位は依田にとっていまやホームグラウンド、最後のとりでである。
前期五番勝負は絶不調のさ中、好調の結城聡九段を挑戦者に迎え、前評判は圧倒的不利だった。だが終わってみると、別人のように鮮やかな碁で完封防衛を果たした。
今期、張を退けて防衛すれば、攻勢に転じる最善のきっかけになるだろう。再び碁界の中心に躍り出るためには、倒さねばならない相手だ。
七番勝負では苦杯を喫した依田だが、初の五番勝負でその借りを返すべく燃えているだろう。好勝負になるのは間違いない。 |