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第31期碁聖戦
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 新碁聖に張名人                                2006年7月28日
依田紀基碁聖

 囲碁の依田紀基碁聖(40)に張栩名人・王座(26)が挑戦していた第31期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催、レノボ・ジャパン協賛)5番勝負の第3局は、27日午前9時から静岡県浜松市のホテル九重で打たれ、午後6時21分、214手で黒番の張が2目半勝ちし、3連勝でタイトルを奪取、初の碁聖位に就いた。

 張は台北市出身。2003年に本因坊を獲得、同年王座にも就いた。04年、名人を奪い、史上5人目の「名人本因坊」に。タイトル獲得は碁聖1のほか名人2、本因坊2、王座3。

 持ち時間各4時間のうち残りは張4分、依田1分。

張栩名人・王座

依田紀基前碁聖の話 右辺の白を封鎖されたのはつらかった。左下隅を荒らすタイミングがつかめなかった。(5番勝負を通して)完敗でした。

張栩新碁聖の話 難しい碁だった。秒読みに入り計算できず、最後に大きいヨセを打てて勝ちが見えた。3連勝は幸運としか言いようがありません。



 V4狙う依田碁聖 若手最強の張名人             2006年7月18日

 囲碁夏の陣、第31期碁聖戦(本社など主催、レノボ・ジャパン協賛)の五番勝負が6日に開幕する。4連覇・通算7期を目指す依田紀基碁聖に挑戦するのは、張栩名人・王座だ。一昨年、本因坊戦、名人戦と連続して碁界の覇を争った2人が再び、碁聖戦を舞台に激突する。依田が最強の若手を退け4連覇を果たすか、張が冠を増やし第一人者の地位を不動にするか。まさに夏の陣にふさわしい戦いだ。


▽因縁の二人

小林光一、趙治勲が全盛を誇った時代が過ぎると、囲碁界は混戦期を迎えた。名人位4連覇で波に乗る依田が張本因坊に挑戦、勝てば「依田時代」が訪れるとみられた。しかし張はそれを許さず依田を退けたばかりか、逆に依田から名人位を奪い取り、王座と併せ3冠を占めた。

 囲碁界はこのあたりから張、山下敬吾、羽根直樹、高尾紳路の「若手四天王」時代へ移り、そして今期、張は依田の虎の子である碁聖に照準を合わせてきた。今期五番勝負は、四天王の後塵(こうじん)を拝する依田が、世代交代阻止と復権を懸けた戦いになりそうだ。

 ▽上り調子

 張のタイトル挑戦は2年前の名人戦以来。ライバルの山下棋聖が矢継ぎ早にタイトル戦登場・敗退を繰り返すのとは対照的に、満を持しての挑戦という感がある。今年の成績は23勝5敗と好調で、現在12連勝中。2冠を保持している点では「四天王」のリーダー格といえる。また今春、夫人の小林泉美女流最強位との間にまな娘・心澄ちゃんが誕生、公私共に充実の一途だ。  迎え撃つ依田は、数年来の不調をようやく脱した。昨年は棋士になって初めて負け越しの危機に遭遇、辛うじて26勝26敗と5割を保った。しかし今年は2、3月にかけて9連勝、特に農心杯世界最強戦(団体戦)での3連勝は日本チームを初優勝に導いた。また挑戦は逃したが本因坊戦で挑戦者決定戦に進出した。

 ▽戦力比較

 依田は「捨て石の名人」の異名を取り、卓越した構想力で中盤までにリードを奪い逃げ切るのが得意だ。対する張は読みの鋭さとヨセの正確さを持ち味とし、多少の劣勢はものともしない。

 現時点で棋聖、名人、本因坊の3大リーグに同時に席を確保しているのはこの両者のみ。好調度がうかがえる。対戦成績は依田の9勝15敗と偏るが、張が圧倒していたのは初対局からの数年間で、ここ3年ほどは拮抗(きっこう)し最近の棋聖、本因坊両リーグでは依田が連勝している。

 ▽好勝負

 碁聖位は依田にとっていまやホームグラウンド、最後のとりでである。

 前期五番勝負は絶不調のさ中、好調の結城聡九段を挑戦者に迎え、前評判は圧倒的不利だった。だが終わってみると、別人のように鮮やかな碁で完封防衛を果たした。

 今期、張を退けて防衛すれば、攻勢に転じる最善のきっかけになるだろう。再び碁界の中心に躍り出るためには、倒さねばならない相手だ。

 七番勝負では苦杯を喫した依田だが、初の五番勝負でその借りを返すべく燃えているだろう。好勝負になるのは間違いない。

略歴

依田紀基碁聖

 安藤武夫七段門下で、80年入段、93年九段。83年新人王戦で優勝、84年には18歳で名人リーグ入りを果たすなど、早くから注目を集める。95年に初のビッグタイトルの十段位を奪取。96年に碁聖位を獲得し以後3連覇。00年には趙治勲から名人位を奪い、以後4連覇。国際棋戦でも活躍しており、今春の農心杯での3連勝は記憶に新しい。主な獲得タイトルは名人4、十段2、碁聖6の計12、ほか優勝23回。北海道岩見沢市出身。40歳。

 最高の碁打ちたい

 張栩さんは最強の挑戦者。その張さんと碁聖戦の舞台で対局できるのはうれしいことです。

 今年に入って対局数は多いのですが、体調は十分に整っています。碁の調子は決して悪くはないけれど、よく負けています。最近も本因坊戦挑戦者決定戦や名人リーグで半目負けました。しかし運のなさや偶然ではなく、そこには何か意味があると思っています。

 碁を打つことは私が生きている証し。5番勝負にはいい状態で臨んで、最高の碁を打ちたいですね。

張栩名人・王座

 林海峰名誉天元門下で、94年入段、03年九段。01年に本因坊戦挑戦者となり、一躍脚光を浴びる。03年に加藤正夫から本因坊を奪取、同時に23歳5カ月の最年少九段に。同年王座も獲得し現在3連覇中。04年には本因坊を防衛、直後に名人を奪取して史上5人目の名人・本因坊となる。NHK杯優勝2回、NEC杯、新人王など各種棋戦で優勝。国際棋戦にも強く、05年には、LG杯世界棋王戦とテレビ囲碁アジア選手権の国際2冠を達成した。台湾出身、26歳。

 負けた碁が記憶に

 特に調子がいいというほどの実感はないのですが、成績は悪くないので、運がいいのでしょう。

 依田碁聖とは、一昨年の名人戦と本因坊戦で七番勝負を争い、運良くタイトルを取ることができましたが、内容では押されていました。負けた碁が強く記憶に残っており、依田碁聖に勝ったという印象はありません。

 依田碁聖は現在一番強い棋士です。今の自分の力がどこまで通用するものか、どんな碁が打てるのか自分でも楽しみ。5番勝負は全力で頑張りたいと思います。


日程

▽第1局 7月6日・広島県呉市「クレイトンベイホテル」

▽第2局 12日・石川県野々市町「文化会館フォルテ」

▽第3局 27日・静岡県浜松市「ホテル九重」

▽第4局 8月18日・東京都千代田区「日本棋院会館」

▽第5局 23日・同会館

 

第29期碁聖戦の結果はこちらから

 
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