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2003年11月24日(月)
――朝刊――


出直し越知町長選 吉岡前町長が再選

町長復帰を決めた吉岡氏=中央=を囲み、喜びを爆発させる支持者ら(23日午後9時半ごろ、越知町越知甲)  町村合併問題への対応をめぐるリコール(解職請求)を受けた町長の辞職に伴う高岡郡越知町の出直し町長選挙は23日投票され、即日開票の結果、高吾北5町村による法定合併協議会の解散を訴えた前町長の吉岡珍正氏(62)=無所属=が3012票を獲得し再選を果たした。法定協への復帰を訴えた新人で前町助役の橋詰精介氏(64)=無所属=は704票の大差で涙をのんだ。これで、5町村の法定協は解散する見通しが強まり、合併特例法期限(17年3月末)が迫る中、同地域の合併問題は振り出しに戻ることになりそうだ。

 開票は午後7時半から町役場3階の大会議室でスタート。6回目の発表まで同数の接戦が続いたが、9時半の発表で吉岡氏が過半数を突破。2期目途中の10月22日に辞職して以来、1カ月ぶりの町長復帰を決めた。

 町役場近くの事務所に当確の一報が入ると、詰め掛けた支持者から大きな拍手。吉岡氏を支持者らが取り囲み「やった。やった」と大歓声が上がった。興奮気味の吉岡氏は「住民が(法定協離脱という)私の決断を認めてくれた。自分に任された責任は重大だと思っている。合併は十分慎重に取り組みたい」とあいさつした。

 同町にとって初めての町長リコール運動を経た選挙戦は、高吾北5町村(越知町、佐川町、池川町、吾川村、仁淀村)による合併協議の是非が最大の争点となった。5町村法定協からの離脱の決断に理解を求め、法定協を解散して慎重な論議が必要だと主張した吉岡氏と、特例法期限内の合併を目指し、休会中の5町村法定協への復帰を訴えた橋詰氏が接戦を展開。吉岡氏は前職としての強みや9人の支援町議の活発な運動で、リコールの“逆風”をはね返した。

 町民の関心は高く、投票率は両氏が争った10年4月の町長選(86・65%)とほぼ同じ86・20%を記録した。

 吉岡氏の任期は、同氏の2期目の任期満了となる18年4月25日まで。

 【写真】町長復帰を決めた吉岡氏=中央=を囲み、喜びを爆発させる支持者ら(23日午後9時半ごろ、越知町越知甲)

 吉岡 珍正氏(よしおか・うずまさ) 八幡大(現九州国際大)卒。昭和57年から越知町議連続3期。平成6年10月から9年8月まで町収入役。10年4月の町長選で初当選。2期目途中の15年10月辞職。62歳。越知甲。

 法定協は一度解散を

 吉岡珍正町長の話 (法定協離脱の)私の決断を多くの町民が認めてくれ、大変感謝している。将来の合併は避けられないと認識しており、国や周辺町村の動向を見ながら、越知町にとって間違いのない方向に導いていく。5町村の法定協には一度解散してもらい、新たな話し合いの場を求めたい。

 5町村合併白紙へ 肩落とす周辺町村長

 高吾北5町村(越知町、佐川町、池川町、吾川村、仁淀村)による合併協議の継続か、打ち切りかが最大の争点となった高岡郡越知町の出直し町長選挙。23日の投開票の結果、5町村の法定合併協議会の解散を訴えた前町長の吉岡珍正氏(62)=無所属=が再選されたことで、休会中の5町村法定協は解散に向かう可能性が強まった。財政支援などの優遇策を盛り込んだ合併特例法期限(17年3月末)が迫る中、同地域の合併問題は先行きが見えなくなった。

 7月末、支所機能の協議などに不満を募らせた吉岡町長や議会が法定協からの離脱を決めた。これに一部住民が反発、町長リコール(解職請求)運動に発展し、有権者の約40%に当たる2540人の有効署名を添えて本請求。吉岡氏は10月に辞職し、出直し選挙に出馬する意向を表明した。リコール派は10年4月の町長選で敗れた橋詰精介氏(64)を擁立した。

 吉岡陣営にとっては“逆風”の中での選挙戦となったが、前職の強みや支援町議9人の豊富な運動を生かし、劣勢をばん回。「単独自立でやっていけるのか」との住民の不安は、吾川村で起こされた越知町以北4町村での法定協設置を求める住民発議の例を挙げ、「慎重に合併も検討する」とかわした。

 橋詰陣営は、一貫して合併の必要性や厳しい財政事情、優遇策を生かした地域づくりを訴え、上滑りに終わった10年の町長選の反省を生かした地道な活動を展開した。しかし、後援会活動が衆院選や知事選のため制約され、主張が十分に伝わらなかったことなどが響いた。橋詰氏は「意外な結果だが、住民の意思であり、尊重せざるを得ない」と肩を落とした。

 この結果について、5町村法定協会長の中山博司佐川町長は「越知町民が町の将来を決める選挙で出した結果であり、どうこう言える立場ではない。27日に開く4町村の会議で今後の対応を考えたい」と言葉少な。藤崎富士登吾川村長も「5町村の枠組みを望んでいたので、率直に残念だ。票差が結構開いて意外だった。周辺町村や議会側と協議しながら今後の方向性を定めたい」と答えるにとどまった。

 越知町を除く4町村は飛び地合併も視野に入れ、研究会を設置している。吾川村の住民発議を含め、枠組みをめぐる混乱は当分続きそうで、特例法期限内の合併は難しい状況となった。

 
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