物部川 アユ保全へ流量設定
国土交通省高知河川国道事務所と高知県は四日、物部川で今後約三十年間に行う河川事業などを定める「物部川水系河川整備計画」の素案を発表した。流量不足でアユなどの成育環境が悪化している下流域の実態に考慮し、香美市土佐山田町の統合堰(ぜき)下流の流量を産卵期(十月中旬―十二月末)に毎秒二・九立方メートル以上とする目標値を示した。物部川下流域で流量目標値を定めるのは初めて。
素案では、農業用水を取水した後の流量が少なく、アユの遡上や産卵に支障が出ていると指摘。このため流量不足時には上流の永瀬ダム(香美市香北町)の放水量を増やし、産卵期以外でも毎秒一・〇立方メートルを確保する。
災害対策では、河川の安全性を維持できる最大量「目標流量」を現行の毎秒二千五百立方メートルから同四千二百立方メートルに大幅に引き上げ、川幅の狭い香美市土佐山田町下ノ村地区で堤防間隔を広げる。
計画の策定は河川法で定められ、高知県内では中筋川で策定済み。洪水や高潮など災害発生の防止・軽減▽河川の適正利用と流水の正常な機能維持▽河川環境の整備と保全―などの観点から、整備目標と具体的な整備内容を定める。
素案は香南、香美、南国、高知の四市役所などで閲覧できる。国交省高知河川国道事務所と県は十四、十五の両日に住民の意見を聞く場を設け、学識経験者や関係市長からも意見を求める。三月十日までパブリックコメント(意見募集)も行っている。問い合わせは同事務所(088・833・0111)、高知県河川課(088・823・9838)へ。
(2009年02月05日付朝刊)