物部川漁協落ちアユ漁禁漁を決定
物部川で八月以降、アユの死骸(しがい)が急激に目立ち始めている。渇水により水温が高くなっていることが原因とみられる。物部川漁協(香美市土佐山田町)は「今後、水温が下がっても次は冷水病が広がる危険性がある」とし六日までに、昨年に続き十二月一日からの落ちアユ漁の禁漁を決めた。
同漁協が五月のアユ漁解禁前に物部川を調査したところ、推定八十六万匹のアユが遡上。昨年の三十三万匹の二・六倍となっていた。
ところが、五月下旬から冷水病が発生し、多くのアユが発症。加えて梅雨明けが早く、七月以降はまとまった雨がほとんど降っていない状態が続いている。上流の永瀬ダムの七月の雨量は五八ミリで、平年の13・4%。八月も一七七ミリと平年の38・8%にとどまっている。
同漁協によると、香南市野市町深渕の七―八月の平均水位は二十二―二十六センチ。例年なら六十センチを超えており今年は半分以下だ。七―八月の午前九時の水温も、例年一八―二二度だが、今季は二五度を上回り、二八度に達した日もある。
死骸が多いのは主に、土佐山田町の合同堰(ぜき)より下流。毎日漁をしているという男性は「最近よく、(野市町の)戸板島橋の川底に三十匹ほどが沈んじゅう。こんなことは初めて」と指摘。同漁協も「アユは解禁時より六割は減った」と頭を抱えている。
県内水面漁業センターが衰弱したアユや死骸を解剖したところ、肝臓がうっ血し、胃が空の個体がほとんどだった。「渇水で高水温が続き、弱って餌を食べられなくなっているのではないか」と分析している。
同漁協は八月下旬、理事会を開催。高水温の影響でアユの産卵が遅れれば、落ちアユの漁期と重なる▽秋に再び冷水病が発生すれば、来季の資源維持が難しい―などとして落ちアユ禁漁を決めた。
横山実男組合長は「落ちアユ漁を楽しみにしていた方には申し訳ない。漁協としては産卵場の整備や、ふ化、遡上期の河口の夜間開削など努力を続ける」と話している。
【写真】川底から集めたアユの死骸(香南市野市町西佐古の物部川)
(2008年09月07日付朝刊)