2007年04月24日


【参院補選】本番にどう生かすか

 夏の参院選の前哨戦と位置付けられた参院福島、沖縄両選挙区の統一補欠選挙は与野党の1勝1敗となった。

 与野党の「痛み分け」によって、与党の過半数維持か否かが焦点となる本番に向け、双方の課題が浮き彫りになったといってよい。

 共同通信社の出口調査では、今回の最大の争点として「景気と雇用」を挙げた人が福島、沖縄とも最も多く、「格差」「少子高齢化・福祉」も上位に入った。

 一方で、安倍首相が夏の参院選で争点化を目指している「憲法改正」や「教育」を挙げた人は多くない。世論調査でも明らかなように、民意とのずれがはっきりと出ている。

 生活を重視するこの傾向は福島、沖縄に限らず、全国に共通していよう。与野党ともに国民の思いを受け止めて、課題解決に向けた具体策を提示し、選択肢を明確にしていく必要がある。

 与党にとっては沖縄の1議席を野党から奪った形ではある。だが、自民党と民主党の公認候補が争った福島では大敗した。自民党は昨秋の県知事選、統一地方選前半戦の県議選に続く敗北となる。

 いうまでもなく前知事が逮捕された談合、汚職事件が響いていよう。自民党の「政治とカネ」問題に対する姿勢が厳しく問われているのは間違いない。

 ところが、閣僚らの事務所費や光熱水費問題をきっかけにした政治資金規正法の改正に、自民党は後ろ向きのままだ。「福島の問題」などと過小評価していると、全国で影響が出る可能性がある。

 一方、野党、中でも民主党の課題として浮かび上がったのは、組織を重視する小沢代表の選挙戦術だ。沖縄での敗北は、組織力では自民、公明両党に及ばないことを明確に示している。

 民主党は先の道府県議選で議席を大幅に増やしたとはいえ、地方組織の弱さは変わっていない。強化は急務だが、同時に無党派層を呼び込む戦略が欠かせないだろう。

 政権批判はむろん必要だが、それだけでは不十分だ。参院選での与野党逆転を足掛かりに政権獲得を目指すのであれば、政策で無党派層を引き付けることが不可欠となる。

 与野党が統一地方選や参院補選で示された民意をどう検証し、生かしていくのか。「天下分け目の戦い」とされる参院選の予定公示日まで2カ月半足らずしかない。



【低投票率】参加の道を探ろう

 統一地方選後半戦の県内で行われた13選挙の投票率は、前回無投票と合併新町の4選挙を除く9選挙で前回を下回る結果となった。

 過去最低という言葉も並ぶ。土佐町長選は、ダブル選挙で行われた町議選とともに過去最低を記録した。市議選は高知、室戸、宿毛の3選挙もそうなった。

 特に高知市議選は最低記録を9回連続で更新した。

 県議選では同市選挙区は、話題性がある新人の出馬などで前回を4ポイントほど上回り、県全体の投票率が前回割れを回避することにつなげた。しかし、旧市区の立候補者が過去最少だったことなどが響き、同市議選では低下の流れを食い止めることができなかった。さらに同市議選の投票率は県議選を下回るという結果が今回も続いた。

 室戸、宿毛の両市議選も新人の出馬で盛り上がりが期待されたが、全体の投票率には反映されなかった。

 低投票率は選挙のたびに話題となる。住民に最も近いはずの市町村議会も例外ではない。それぞれ異なる課題を抱えての選挙を一律に論じることはできないが、住民に政治への冷めた見方が漂っていないか、思いをめぐらせる必要はあるだろう。

 緊縮財政は住民生活に辛抱を迫る。産業は低迷し、将来像が描きにくい。合併が進み、さらなる合併、道州制もとりざたされる。地方議会は国政、県政レベルほどには政党の姿や対立軸も見えにくい。身近であるがゆえに望むような劇的な変化は期待しにくい一方で、変化にのみ込まれている地域の姿に無力感があるかもしれない。

 当選者には訴えの実行と、引き続き明確な論点の提示が求められる。住民の関心を引き出すことが足元からの変化につながる。

 それには政治参加の間口を広げることが重要だ。例えばインターネットの活用では、公職選挙法は通常の政治活動として議員の活動報告や政策などのホームページ掲載は認めている。一方、選挙期間中、原則禁止している更新やメールマガジンの送付はどうするべきか。誰もがネットに慣れているわけではなく、デメリットも指摘される。こうした論議を地方レベルからも深めていきたい。

 地域の疲弊が言われる中、震災対策、高齢者対策、子どもたちの教育や安全など、どれをとっても地域の連携がより求められている。低投票率を安易に受け入れていては、自治の機能回復は望めない。


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