2017.04.21 08:30

高知県香南市の国重要文化財「安岡家住宅」母屋の修復完了

完成した母屋。手前が座敷部(高知県香南市香我美町山北)
完成した母屋。手前が座敷部(高知県香南市香我美町山北)

座敷部の内装。壁の上部にあるのが「蟻壁長押」で、長押の上に設けた細長い白壁が天井を高く見せるという。欄間は、縦方向の部材の凹凸が竹の節を模している(高知県香南市香我美町山北)
座敷部の内装。壁の上部にあるのが「蟻壁長押」で、長押の上に設けた細長い白壁が天井を高く見せるという。欄間は、縦方向の部材の凹凸が竹の節を模している(高知県香南市香我美町山北)

土間から居室部を望む。天井は高く、マツの梁が見える。建具の配置などは、行き来しやすく工夫された幕末の構造を復元した(高知県香南市香我美町山北)
土間から居室部を望む。天井は高く、マツの梁が見える。建具の配置などは、行き来しやすく工夫された幕末の構造を復元した(高知県香南市香我美町山北)
 江戸後期の郷士屋敷で、高知県出身の作家、故安岡章太郎さんの父親の生家でもある国の重要文化財「安岡家住宅」(高知香南市香我美町山北)。子孫が「文化財建造物保存技術協会」(東京)に委託している解体修復事業のうち、母屋の工事がこのほど完了した。天井を高く見せる工夫をはじめ、往時のしつらえがよみがえった。


 木造平屋切り妻造りの母屋(187平方メートル)は、生活空間の「居室部」と、藩の重役の武士らを接待するための「座敷部」で構成している。

 居室部は、茶の間▽使用人の相談も含めて仕事に使う「用の間」▽寝室である「奥」▽同じ身分の人をもてなす「座敷」―など5部屋と土間がある。

 6畳2間続きの座敷部で特徴的なのは、天井を高く見せるため、天井との間に細長い白壁を挟んだ「蟻壁長押(ありかべなげし)」や、使用した木材を竹に見立てて凹凸を表現した「竹の節欄間」など。格式高い書院風の造りが、幕末の郷士屋敷の面影を伝えている。

 母屋は2014年6月までに解体され、部材を補修しながら3月末に修復が完了した。
 解体修理は母屋のほか、道具蔵や米蔵など木造の付属施設5棟も対象。現在、雪隠(せっちん)と米蔵の柱の補修にかかっており、全ての建造物の修復を終えるのは2019年6月末の予定という。

 現場責任者の辻田芳典さん(43)は「一本一本の材料が全部、文化財的価値を持っています。補修方針を細かく決めて、傷んだ所だけを接いだり剥いだりしながら、手間をかけて直しています」。

 修復後の保存や公開については、所有者や香南市、地元ボランティア団体などが協議し、実行可能な計画を検討していくという。

カテゴリー: 主要文化・芸能香長


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