2017.02.17 08:10

クレプトマニア(窃盗症)克服へ女性の思い 高知市では講演会 

■高知市で講演会■
 「クレプトマニアの弁護について」と題した講演会が2月18日午後1時~4時半、高知市本町4丁目の高知県人権啓発センターで開かれる。

 クレプトマニア問題の第一人者、林大悟弁護士(神奈川県弁護士会)が講演する。弁護士や医療関係者、家族らを対象に、クレプトマニアからの回復に向けた支援を考える。

 参加無料。問い合わせは主催の高知うろこの会(088・822・2539)へ。

■四国唯一の専門医「病的衝動持つ」自覚を■
 クレプトマニア(窃盗症)にはどんな特徴や治療法があるのか。四国で唯一、クレプトマニアの治療やグループミーティングを行う藍里病院(徳島県上板町)の副院長で、精神科医の吉田精次さん(61)に聞いた。

 クレプトマニアは「モノを盗りたい」という衝動が制御できない病気だ。1人で店に入るなど特定の状況でスイッチが入り、「盗る」という行動を最後までやらないと収まらない。

 米精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアルによると、有病率は万引で捕まった人の4~24%。摂食障害を併発する女性も多い。ただ、生まれつきクレプトマニアの人はいない。脳の機能変化があり、万引を繰り返すうちに出来上がる。お酒を飲むうちにアルコール依存症になるのと同じだ。

 治療薬はない。回復にはまず、「自分は病的衝動を持っている」という本人の自覚が必要。その上で、1人で店に入らないなど、衝動が作動しない環境をつくっていく。

 それだけでは十分でない。脳の機能回復のために、カウンセリングと患者同士のグループミーティングが有効だ。

 万引で捕まった後、「手癖が悪い」「お前の意思はどうなってるんだ」と散々言われ、自分を極悪人だと思っている。孤独で自分に自信が持てない。ミーティングでは批判も非難もなく、言いっ放し、聞きっ放し。同じクレプトマニアの話を聞くことで「自分一人ではない」と本人が気付き、治療に対する意欲が出てくる。

 刑務所に何度行っても万引は止まらないし、治療にはならない。まずは、クレプトマニアという病気への理解が社会に広がることが大切だ。


かつて万引を繰り返した女性の手=左。今は息子の手を優しく包む(高知市内)
かつて万引を繰り返した女性の手=左。今は息子の手を優しく包む(高知市内)
窃盗症克服へ高知市の女性の決意
 20代の多くを刑務所で過ごした。それでも万引がやめられなかった。2016年結婚し、母になった。「クレプトマニア(窃盗症)」と診断された高知市の30代前半の女性。「子どものためにも、絶対治さないかん。最後まで闘う」。家族や仲間に支えられ、回復へ一歩ずつ歩みだしている。

 「『欲しい、欲しい、欲しい』が頭の中を巡って、それしか考えられない。途中から記憶がなくなって、どこで何を、どういうふうに盗(と)ったか覚えてないんです」

 女性が万引を始めたのは小学6年のころ。場所は近所のスーパーだった。試着室で商品の服や靴を身に着け、そのまま持ち出した。履いてきた靴はトイレのごみ箱に捨てた。

 女性が3歳の頃、母親が家を出て行った。父親と兄2人がいたが、電気やガスを止められることが度々あった。...


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カテゴリー: 社会医療・健康ニュース


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