2017.02.12 07:50

声ひろば 2017年2月12日、日曜日

1.無電柱化の推進を
【植田寿彦、72歳、四万十市】
 日課のウオーキングで路肩の電柱、頭上の電線にストレスを感じている。阪神大震災では、倒壊した電柱が緊急車両の行く手を遮り、多くの人命を奪っている。震災時には倒壊により避難や救援の妨げとなり、復旧作業時にも余分な労力を伴う。土佐の小京都をセールスポイントとする四万十市においても、景観上うっとうしい物と言える。
 日本には3552万本(平成24年)もの電柱が林立している。それらがわれわれの日常生活の中に普通に溶け込んでいるからややこしい。毎年7万本のペースで増えているそうだ。
 無電柱化率を見てみると、東京23区が7%、大阪市5%、京都市2%、わが高知県は1%と、国内はとても低い。
 ところが海外に目を向けると、ロンドン、パリは戦前から100%だ。どちらも訪れたことがあるが、確かに電柱、電線を見かけた記憶がない。ほかにもニューヨーク83%、ソウル46%、北京34%、ハノイ28%などとなっている。
 近代国家日本は一人負けの状態なのだ。日本の電柱の設置は、戦後復旧に向けて、とりあえず安価で早いことが、日本流として普及したのだろう。
 差し迫っている南海トラフ地震に備え、被害の低減を図るためにも、電線の地中への埋設、無電柱化は急務だと考える。残された時間、チャンスは少ない。行政トップの英断と実行力が問われている。

2.大学院で学ぶ理由
【大崎杏奈、31歳、高知県立大大学院看護学研究科】
 私は高知県立大学看護学部を卒業し、臨床経験を積んだ後に母校の大学院で再び学びを深めている。
 当初は大学院を、自己のキャリアビジョンの中に価値づけていた。しかし、大学院で学ぶ中で全国的な視点に立ち、高知県の医療を見つめなおすようになったのである。
 私たちは講義の中で、医療や看護について徹底的に考える時間を与えられる。その際、必ずといっていい程に高知県の医療の現状と課題に対峙(たいじ)しなければならなかった。
 国は地域医療構想を打ち立て、病床数を削減し療養の場を病院から地域へとシフトさせる地域包括ケアシステムを構築している。
 その流れに逆行するかのように、高知県は病床数全国1位である。高知県で生まれ育った私たちは医療職でありながら、このような現状に危機感を抱くことがなかった。
 これまで培ってきた思考過程を柔軟に転換していく必要があり、自分自身と向き合うことにつらさを覚えることもある。しかし、大学院で学ぶことで、自施設の医療や看護の質を向上させることのみならず、県内の医療の現状を俯瞰(ふかん)する視点を養うことができた。
 卒業後は高知の県民性を大切にしながら、安心して地域で療養できる体制づくりに貢献していきたい。

3.「賞金は募金に…」
【形見浤三、73歳、団体役員、香南市】
 新春恒例の人気テレビ番組「欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞」は、司会者のユーモアと出演者の創意工夫が楽しめるので、今年も見ていました。特に、今年は受賞者の中の一人の少女の言動に感動し、新たな楽しみが加わりました。
 高額賞金を獲得したのに表情を崩さない少女を見た司会アシスタントは、金額がピンときていないのではと、お小遣いの額を尋ねた。しかし、「お小遣いはもらっていません」と答えたので仕方なく、ずばり賞金の使途を尋ねたのではと思われます。少女は少し考えた後、何と「募金」と答えたのでした。
 お小遣いをもらってない少女が、思いがけない賞金を手にすることになり、普通なら大歓喜の場面ですが、終始平然と受け答えする少女の頭の中を、募金という言葉がよぎったことは間違いありません。この少女の周りで、このような場合に募金した身近な例があったかもしれません。
 近年、世界中のトップが勝ち組のオンパレード。彼らに共通して言えるのは、利己主義で弱者に対する思いやりの心の薄いことですが、そんな勝ち組に、何としてでも一歩でも近付きたいと、多くの人が思っている昨今、このような少女が現にいることが分かり、久しぶりにすがすがしい気分になったことでした。

3.東映映画の変遷考
【田中勲、72歳、高知市】
 テレビ時代劇の充実とともに格調を誇った東映時代劇は変質し、暗く沈んだドキュメント風やエロ、グロ、残酷さなどを“売り”とする作品が多くなった。
 同時期、ちょんまげを落としたヤクザチャンバラ映画も製作され、「任侠(にんきょう)映画」と呼ばれ、以後、東映の主流となっていった。
 この任侠路線を支えたのが鶴田浩二、高倉健、若山富三郎、藤純子だった。
 内容は、一匹おおかみによる股旅ものか、ヤクザ同士の抗争劇で、任侠道に生きる主人公を義理や人情の濃い味付けで描いていた。
 ラストは主題歌の流れる中の殴り込み、耐えに耐えた白刃が画面に躍った。
 演出はマキノ雅弘、佐伯清、山下耕作、小沢茂弘などが担っていた。
 テレビでは扱いにくい題材でもあり、斜陽の映画界で、結構観客を集めた。
 しかし、深作欣二監督の「仁義なき戦い」シリーズを頂点とする実録ヤクザ路線が登場すると、何かきれいごとの残る任侠路線は完全に吹き飛ばされた。
 そして、菅原文太、松方弘樹、北大路欣也、小林旭などが新しいタイプのヤクザ抗争劇を繰り広げた。
 一方、映画界は衰退を続け、製作本数や観客数は激減、スタッフや俳優はテレビ界などへ流れていった。
 もう劇場で映画を見ることもなくなっていた。

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