2016.04.30 08:10

参院選の野党共闘に”さざ波” 共産党の推薦に民進党は困惑

共産党「当たり前」 民進党は想定せず
 参院選の徳島・高知選挙区で、野党統一候補として立候補予定の無所属新人、大西聡氏(53)に対する共産党の推薦が野党勢力の足元に“さざ波”を立てている。推薦している民進党側も、大西氏自身も“想定外”で、「全力で戦う覚悟を示した」とする共産党に対し、特に擁立を主導した民進党は困惑気味。背景には、共産色が前面に出ることを避けたい民進党側の思惑も見え隠れする。

 旧民主党徳島県連が推した大西聡氏は、党本部の選定を経て、野党統一候補を視野に無所属での出馬を決めた。その経緯から「民進推薦」は受け入れたが、「保守層や無党派層も含めた幅広い勢力の結集」へ、政党色を薄めた戦いを目指す。

 その象徴が、野党統一候補を求め、野党勢力の結集を仲立ちした市民団体「高知憲法アクション」「オール徳島」。大西氏は4月26日、旗印とする安全保障関連法の廃止を含む「共通政策」をまとめ、両県の民進党、共産党、社民党の各党や市民団体などと合意した。

 ただ、共産党高知県委員会は3月段階で既に、大西氏の推薦を決め、共産党中央も了解済みだった。徳島県委員会は共通政策の合意を受け、推薦を決め、28日に発表。共産推薦が表面化した。

 大西氏は民進党と友好関係にある社民党には支持願を出し、「支持」を受けたが、共産党には推薦願を出していなかった。それだけに民進党側には戸惑いがある。

 共闘の調整役を担う民進党高知県連の武内則男代表代行は「民進党も推薦したが、政党が前に出ないよう、黒子に徹して調整しながらやってきた。共産党には共産党の都合もあるだろうが…」。

 関係者の話を総合すると、推薦の発表前に共産党徳島県委員会の上村秀明委員長から民進党の両県連幹部に「推薦したい」との申し出があった。民進党側は「野党共闘の合意を到達点として対応を」などとやんわり再検討を促したという。

 上村委員長は「共産党では推薦願が出ているか否かは判断基準ではない。共産党を含めた野党共闘が注目されている」。高知県委員会の佐竹峰雄委員長も「既にうちの県議や市町村議とあいさつ回りをしている。野党統一候補なんだから推薦は当たり前」と話す。

 これに対し、民進党高知県連の幹部の一人は「民進党の支持団体の中には共産党へのアレルギーがあるのも事実だが、政党組織の文化の違いものみ込んで共闘を深めていくしかない」と受け止める。

 当の大西氏は高知新聞の取材に対し、「共通政策でも合意しており、特に推薦をもらうことは頭になかった。応援してもらえるのは大変心強いが、事前にもっと協議ができればよかった」と話している。

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