2017.12.26 08:15

【記者ノート2017 こうち】カツオ県民会議発足

土佐の一本釣り船の水揚げ光景(4月、鹿児島港)
土佐の一本釣り船の水揚げ光景(4月、鹿児島港)
資源と地域守るために
 「カツオ県」の底力を見せた1年だった。

 日本近海でカツオ不漁が長引く中、地域の産業と文化、そしてカツオ資源を守ろうと2月、県内企業経営者らが「高知カツオ県民会議」を旗揚げした。飲食、量販、観光、製造業など幅広い業界から有志が参加。会長には尾﨑正直知事が就任した。

 他県ではカツオ・マグロ対象の巻き網産業があったり、巻き網船の水揚げに依存したりで、資源悪化に触れづらい実情がある。持続可能な「釣り」漁業を、県を挙げて応援するのは極めて異例だ。

 “手弁当”の組織ながら発足以来、矢継ぎ早に活動を展開してきた。

 4月に約300人を集めて第1回シンポジウムを開催。「カツオ博士」の二平(にひら)章さんが「資源減少のためカツオの分布域が縮小し、日本近海から減っている」と危機の本質を解説した。

 11月の第2回シンポには「国際一本釣り基金」(本部=ロンドン)のジェレミー・クローフォード東南アジア支部長が参加。「世界の一本釣り関係者が連携しよう」と語り、同会議に「先導役」の役割を期待した。

 12月にはメンバー6人がフィリピン・マニラ入りし、WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)年次会合に参加。各国の思惑が交錯する会合は、まさに資源“争奪戦”の現場。メンバーはハードルの高さを実感しつつも各国代表や団体に接触し、資源管理に向けた糸口を探った。水産庁審議官は「カツオ枯渇への危惧」に言及し日本の立場を訴えた。

 高知県の県魚がカツオと決まって、来年で30年。同会議の模索が続く。

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カテゴリー: 環境・科学社会カツオ県民会議社会


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