2017.12.23 08:00

【18年度予算案】借金依存に拭えぬ不安

 政府が2018年度予算案を閣議決定した。一般会計総額は97兆7100億円となった。
 6年続けての過去最大更新で、歳入を国債発行に頼る借金依存体質は相変わらずだ。財政再建への見通しも立たず、債務を膨らませるばかりの予算編成に不安は拭えない。
 国債発行額は33兆6900億円に上っている。歳入に占める国債依存度は34・5%で、8年連続で低下したとはいえ、先進国で最悪の状況である。
 歳入は税収が59兆700億円。税外収入の4兆9400億円を合わせた約64兆円で、歳出を賄うのが本来のはずだ。だが社会保障や公共事業など、政策に必要な経費は74兆4100億円。到底足りず、国債を発行しなければ成り立たない。
 国際公約だった基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の20年度黒字化の目標について、既に政府は達成を断念している。
 PBは、新たな借金をせず政策経費を賄えるかを示す指標だ。政府は18年度予算案でPBがマイナス10兆4千億円となり、前年度のマイナス10兆8千億円から「改善」とした。大幅な赤字であることは変わらない。微減が実態だろう。
 PB黒字化の新たな目標は来年6月ごろ設定する予定というが、財政健全化への道筋を早急に示さなければならない。
 税収は景気の上向きを理由に、前年度当初比で1兆3600億円増を見込む。こうした時こそ債務返済を検討すべきではないか。人口減少に歯止めがかからず、安倍首相の経済政策の効果も限定的な中、税収増が続く保証はあるまい。
 歳出では、社会保障費と防衛費がともに過去最大となった。世界でも例のない早さで高齢化が進む。北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の海洋進出への対応が一定必要なのは確かだ。やむを得ない面はあるにせよ、真剣に財政の現実に向き合ったかどうか疑問が残る。
 社会保障費は33兆円近くまで膨らんだ。高齢化に伴う自然増を1300億円圧縮したとはいうものの、診療報酬の薬価を引き下げながら、医師の人件費に当たる部分を引き上げた。衆院選での医師会の協力への見返りともいわれる。
 防衛費は6年連続増で5兆1900億円となった。米国が開発した地上配備の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」導入への経費を計上し、17年度補正予算案にも関連予算を盛り込んだ。米に追従し、防衛装備品の購入を優先する状況には危うさが付きまとう。
 総じて目につくのは財政規律の緩みと危機意識の乏しさである。野放図な財政運営を続けていて、国民の理解を得られるだろうか。問われるのは将来を見据えて、歳出改革を徹底する姿勢だ。
 年明けの通常国会で、首相をはじめ政府は、責任を持って丁寧に説明しなければならない。野党には厳しい検証が求められる。
カテゴリー: 社説


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