2017.12.21 08:00

【地震予測】備えの万全を期す契機に

 政府の地震調査委員会が、四国と北海道東部沖に関する予測を公表した。四国については、北部を横断する「中央構造線断層帯」を評価した結果、活断層によるマグニチュード(M)6・8以上が内陸部で起きる確率を「30年以内に9~15%」とした。
 この断層帯を長年にわたって研究している岡村真・高知大学名誉教授は、地震が起きた場合、高知県北部でも震度6弱、5強があり得ると想定している。
 南海トラフ地震の発生が懸念されている本県にまた一つ、気掛かりな想定がもたらされた形である。備えに関しては家庭、地域、職場などで日々関心を高めていようが、改めて万全を期す契機としたい。
 中央構造線断層帯はこれまで、近畿から伊予灘までとされてきたが、新たに海底地下の構造が判明した。さらに大分県内陸部まで続くことが分かり、断層帯の長さは360キロから444キロとなった。
 これを受け断層帯を10区間に分けて評価した。予測では、断層帯の全体が一度に動くことは想定しにくいとしたものの、地震の規模は最大でM8以上としている。断層帯には四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)近くも含まれる。
 伊方原発を巡っては、3号機の運転差し止めを住民らが求めた仮処分の即時抗告審で、広島高裁が来年9月末までの運転停止を命じる決定をしたばかりだ。
 決定は、熊本・阿蘇山の巨大噴火が起こった場合の危険性を理由に挙げた一方、地震などに関する四電の想定は「合理的」と判断した。
 ただ、中央構造線断層帯は、全国の主な活断層の中で地震の発生確率が高い。災害は自然現象であり、絶対安全とは言い切れない。今回の予測を警鐘と受け止め、注意を怠らないよう求めたい。
 原発への影響が懸念される点は、北海道東部沖も共通する。調査委はM9級の超巨大地震の発生が「切迫している可能性が高い」とし、30年以内に起きる確率を「7~40%」と推計した。震源域は青森県沖などにも広がる恐れがあるという。
 約400年前に起きた超巨大地震では海抜20メートル以上の大津波が発生し、沿岸から約4キロの内陸部まで浸水したとみられている。青森県内には東北電力東通原発など原子力関連施設が多いだけに、伊方とともに最大限の安全対策を強く求める。
 東京電力福島第1原発の事故による惨事は誰しも心に刻んでいるはずだ。悲劇を繰り返してはならない。政府や原子力規制委員会なども今回の地震予測を深刻に受け止めなければならない。
 きょう12月21日は、1946年の昭和南海地震の発生から71年に当たる。早朝、M8・0の揺れに襲われ甚大な被害が出た。
 さまざまな事態を想定して準備し被害を最小限にとどめたい。自然災害はいつ起きるか分からない。改めてこの教訓をかみしめたい。
カテゴリー: 社説


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