2017.12.14 08:15

伊方原発に阿蘇噴火のリスク 3号機差し止め 広島高裁

広島高裁が四国電力伊方原発3号機の運転差し止めの決定をし、報告に喜ぶ住民側の支援者ら(13日午後)
広島高裁が四国電力伊方原発3号機の運転差し止めの決定をし、報告に喜ぶ住民側の支援者ら(13日午後)
 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止めた13日の広島高裁決定で、野々上友之裁判長は、争点の中で火山噴火の影響を重視した。伊方原発から約130キロの熊本県・阿蘇カルデラで大規模噴火が起きた際、「火砕流が原発敷地に到達する可能性が十分小さいとは評価することができず、伊方原発の立地は不適だ」と判断した。全国の原発の立地と火山を巡る議論にも一石を投じそうだ。政府や電力会社の原発再稼働方針に大きな打撃となった。
 
 高裁決定は、原子力規制委員会が安全性を審査する内規として策定した「火山影響評価ガイド」を基に、四電が行った伊方原発周辺の地質調査やシミュレーションを検討。約9万年前の阿蘇カルデラの噴火で、火砕流が原発敷地内に到達した可能性が小さいとはいえないとし、四電の想定は過小だと判断した。

 火山噴火の危険性について、原発の新規制基準に適合するとした規制委の判断は不合理だと指摘。原発から約100キロ離れた広島市の住民にも重大事故による広域被害の恐れを認め、「生命、身体に対する具体的危険の存在が推定される」と結論付けた。

 火山以外の地震や津波、テロ対策などに関しては新規制基準の合理性を認め、適合するとした規制委の判断も合理的とした。

 一方、差し止めの期間は、広島地裁で係争中の差し止め訴訟で本格的な審理を経た結果、迅速に判断する仮処分とは異なる結論が出る可能性などを考慮し、来年9月30日までとした。

 住民側弁護団は「火山についての記載は、他の原発にも当てはまることなので、(他の裁判にも)水平展開できる極めて重要な部分だ」と評価。四電は「到底承服できるものではない」とし、1週間程度のうちに広島高裁に異議と、決定の効力を一時的に止める執行停止を申し立てるとしている。

カテゴリー: 環境・科学社会


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