2017.11.19 08:20

寺のついたては河田小龍の“お宝”竜虎図 調査で判明 高知市 

河田小龍作のついたて(同資料館提供)
河田小龍作のついたて(同資料館提供)
「板両面の絵 珍しい」 歴民館で展示
 高知市の寺が保有する、両面に竜虎が描かれたついたてが幕末の絵師、河田小龍の作品であることがこのほど分かった。小龍の数ある作品の中でも竜と虎が両面別々に描かれたものは、専門家が「これまで見たことない」とうなる珍品。住職もその価値を知らなかった“タイガー&ドラゴン”がにわかに脚光を浴びている。
 
河田小龍作のついたて(同資料館提供)
河田小龍作のついたて(同資料館提供)
 今回確認された作品は縦約114センチ、横約165センチ、厚さ約3センチの杉板両面に竜と虎が墨で描かれている。全体的に墨が薄くなるなど経年劣化はあるが、命とされる顔の部分は濃く残り、迫力は健在だ。
 
 ついたてがあったのは、臨済宗相国寺派の国清寺(同市薊野中町)で、明治の廃仏毀釈(きしゃく)後の1880年復興。往時は200軒を超す檀家(だんか)があったが、現在は5軒で、京都の寺院の住職が年に1回夏に法要を行うのみだ。
 
 先代住職の長女で22歳で結婚するまで国清寺に住んでいた森田陽子さん(65)=高知市仁井田=によると、ついたては玄関に古くから置かれていたといい、「寺のトレードマークみたいなもので昔から愛情込めて使ってました」。
 
今年6月、県立歴史民俗資料館の学芸員からついたてについて説明を聞く国清寺の檀家 (高知市の同寺=同資料館提供)
今年6月、県立歴史民俗資料館の学芸員からついたてについて説明を聞く国清寺の檀家 (高知市の同寺=同資料館提供)
 2006年に県文化財保護審議会委員から「小龍のものでは」と指摘された森田さんは「お宝かもしれん」と、日陰に移して布を掛けて保管してきた。昨年4月、禅をテーマにした特別展を企画し県内の寺院を回っていた県立歴史民俗資料館の学芸員についたてを紹介。今年6月に詳しく調査した結果、小龍の真作と分かった。
 
 県立美術館で行われた「河田小龍展」(03年)を担当し、今回の調査に携わった県立坂本龍馬記念館の河村章代学芸専門員(49)は「竜や虎単体の絵は他にもある。竜虎図は掛け軸やふすまが多く、木に描いたものも珍しい」と話す。
 
 森田さんや檀家らは「何げなく使っていたものがまさかの“お宝”」と驚き、「この竜と虎がお寺を守ってきたがやねえ」とほほ笑んでいた。
 
 ついたて竜虎図は、歴史民俗資料館(南国市岡豊町八幡)で行われている特別展「今を生きる禅文化」で展示している。26日まで。

カテゴリー: 主要文化・芸能高知中央


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