2017.11.15 08:30

ユズ種子油でメタボ抑制 馬路村農協・高知大がマウス実験で確認

ユズの種子油について説明する高知大の溝渕俊二教授=左=と馬路村農協の東谷望史組合長(14日午後、高知大医学部)
ユズの種子油について説明する高知大の溝渕俊二教授=左=と馬路村農協の東谷望史組合長(14日午後、高知大医学部)
 ユズの効用を共同研究している高知県安芸郡馬路村の馬路村農協(東谷望史組合長)と高知大医学部の溝渕俊二教授は14日、非加熱のユズ種子油にメタボリック症候群を抑えるホルモン「アディポネクチン」の分泌を促す作用があることをマウス実験で確認したと発表した。アディポネクチンは「長寿ホルモン」とも呼ばれ、人での有効性を来年度検証し活用策を探る。

 同農協と溝渕教授は2009年から共同でユズ種子油の効用を研究。マウス実験でアトピー性皮膚炎の症状を抑制する効果があることなどを確認している。

 溝渕教授によると、マウス14匹にユズ種子油1日100マイクロリットルを経口投与した実験では、28日後に血中のアディポネクチン濃度が平均で1・8倍程度に増えた。アディポネクチンは糖尿病や脂質異常症、動脈硬化などを改善するとされ、元気な高齢者の血中に多いという研究報告もある。

 今回の成果を基に来年度、ユズ種子油を経口摂取することで人にもメタボ抑制効果があるかを、100人ほどを対象に検証するという。

 また、精製した種子油を老人性乾皮症患者25人の患部に塗ると、大半に症状改善がみられ、被験者は少ないものの、アトピー性皮膚炎が緩和された患者がいたことも明らかにした。今後、本格的な研究を進めるという。

 アディポネクチンの人での治験などは本年度、県の「産学官連携産業創出研究推進事業」に採択された。事業は委託契約で、高知大と馬路村農協、非加熱種子油の効率的な製造方法を開発する高知工科大が対象。三者は19年度末まで研究する計画で、委託料は最大計約4400万円。

 同農協は現在、非加熱ユズ種子油をゼラチンカプセル化した商品を、効能を示さずに販売している。将来的には機能性表示食品の認可を目指す。

 東谷組合長は「安全で健康に役立つ取り組みを続けたい」とし、溝渕教授は「ユズ種子にいろんな機能があると驚いている。種子以外の研究も進めたい」と話している。



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