2017.11.13 14:30

高知出身・三宅香帆さんの書評本人気 「人生を狂わす名著50」

金高堂書店本店で大々的に宣伝している自身の本を手にする三宅香帆さん。表紙は漫画家の今日マチ子さん(高知市帯屋町2丁目)
金高堂書店本店で大々的に宣伝している自身の本を手にする三宅香帆さん。表紙は漫画家の今日マチ子さん(高知市帯屋町2丁目)
 高知市出身の京都大学大学院生、三宅香帆さん(23)=京都市=が書いた本「人生を狂わす名著50」(ライツ社)が人気を集めている。「人生に影響を与える」お薦め本の書評だが、文体がポップな上、読者の興味を引く内容に仕立てられており、10月に出版されて早くも重版が決定。三宅さんは「常識や価値観を変えてくれる本に出合って」と話している。

 三宅さんは学芸高校を卒業し、京大大学院で万葉集を研究する傍ら、京都市内の書店でアルバイトをしている。

 2016年、書店のウェブサイトに「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」のタイトルで本20冊を紹介する記事を掲載したところ、大反響を呼んだ。今回の著書はお薦めを50冊に増やして加筆。三宅さんいわく、「読んだ後にどうしても社会や世界に流されることのできなくなる本たち」だという。

 文体は友達と感想を言い合っているように軽妙で読みやすい。例えば、ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」は〈月9ドラマも今時放映しないくらいベッタベタなラブ・コメディ〉。太宰治の「ヴィヨンの妻」は〈男のクズさと女の冷たさを楽しむ短編小説〉と薦める。

 「今はネットで調べれば粗筋もレビューも分かる。それで終わりじゃなくて、本屋に行きたくなるような書評を目指した」と三宅さん。

 今年のノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロさんの「わたしを離さないで」も最後に紹介しており、その評は〈今この世界でいちばんの傑作〉。「人生を狂わす名著50」の出版はノーベル賞発表前で、受賞を予見したかのような記述が目を引く。

 「人生を狂わせる一言」も随所で紹介。高知市出身の有川浩さんの「図書館戦争」からは〈お膳立てされたキレイな舞台で戦えるのはお話の中の正義の味方だけよ〉。三宅さんが読むたびに励まされる小説なのだという。

 「読書は戦い」と話す三宅さんは「現実逃避で始めた読書なのに、いつのまにか本によって現実を変えられている。どう抵抗しても負ける時は負ける。私が文学研究しているのもそう。人の言うことは聞かない子だったけど、本のいうことは聞いていた」と笑う。

 大ファンの有川さんから「人生狂わせちゃったみたいで、ごめんなさい」の本の帯を書いてもらった。「サイン会に行った中学生当時の私に教えてあげたい。一生分褒められた感じ」とはにかんだ。税込み1728円。

カテゴリー: 文化・芸能高知中央


ページトップへ