2017.10.19 08:18

[2017衆院選] 「安倍政治」巡り攻防 高知県内情勢展望 担当記者座談会 高知1区

 衆院選は22日の投開票まであと3日となった。高知1区は自民党前職、希望の党新人、共産党新人による三つどもえの戦いで、高知2区は自民党前職と無所属新人の一騎打ち。「安倍政治」を継続するかどうかが再び問われる選挙戦で、各陣営は経済政策、社会保障、安全保障、憲法などで舌戦を展開し、激しい攻防を続けている。高知新聞社などが実施した電話世論調査、支社・総支局と連携した取材を基に、担当記者の座談会で選挙区別の終盤情勢を探った。(敬称略。名簿は届け出順。丸数字は当選回数)


3極対決前職先行 野党2新人懸命の訴え

【1区 立候補者】
大石 宗(37) 希望・新
松本顕治(33) 共産・新
中谷 元(60) 自民・前(9)(公明推薦)


A 1区は自民前職の中谷に希望大石、共産松本の2新人が挑む構図。今回の衆院選を象徴する「3極対決」から見ていこう。

 ◇ 

B 10選を目指す中谷は圧倒的な知名度で年代、地域を問わず幅広く浸透している。

D 前回の衆院選後に防衛相に就任。安全保障関連法を仕上げた後は、党や国会で憲法改正論議を主導しており、今や党の重鎮だ。

E その安保法。答弁書を繰り返し読み上げる姿に当時は批判の声が強かった。

F 選挙戦では憲法9条改正の必要性も訴えている。意見が割れる安保、憲法に拒否反応もありそうだが。

D 義弟で党県連幹事長の桑名龍吾は「憲法改正を取りまとめるのは平和を愛する元さんだ」と演説会で呼び掛けた。

A ソフトな印象を出したいのだろうけど、その発言には首をかしげるよ。人柄と政策は分けて考えないと。

E ただ、安倍政権に苦言を呈した「あいうえお作文」も効いたのかな。無党派層への浸透ぶりを見ると、政権批判の影響は受けていないようだ。

C 前回は旧1区から比例四国に回った福井照の支援との兼ね合いで公明の推薦を受けなかったが、今回は取り付けた。

D 公明が動員をかけた香美市の演説会では、最後の勝ちどきで公明の名が出ず、中谷がマイクを取ってやり直す配慮を見せた。

B そんなまめさも期数を重ねてこられた原動力だろうが、昔から言われる県勢の西高東低に不満も多いよ。

A 3度目の衆院選挑戦の大石は、そんな県東部の地域の声を丹念に拾おうと、活動を続けてきた。

E 小さな祭りなどに頻繁に顔を出し、選挙前に貼ったポスターも目に見えて多い。

C 後援会の世話人をほぼ全市町村に配し、公示直前には全域で「囲む会」も開いた。室戸、安芸、香南各市に拠点も置いており、県東部でこれだけの態勢を敷いた自民以外の候補は記憶にない。

D 母親や妻の両親の出身地、祖父、曽祖父ゆかりの地など、地域との関わりもアピールしているよ。高知市などの演説会では、若い参加者も多い。

A 世論調査では無党派層への浸透はいまひとつだ。希望から立ったことがどう作用している?

E 大石個人への支持や「共産には投票できない」という声は聞くけど、期待された新党効果は見えづらいね。

D 希望は安保法を容認し、改憲にも積極的。民進支持だった自治労や部落解放同盟は「相いれない」と大石に距離を置き、自主投票になった。

F 県外では、安保などで従来の主張との整合性を問われる希望候補も多い。大石はもともと民進内で保守的なスタンスだったから、矛盾なくすっきりと戦えるだろう。

A 共産の「必勝区」で戦う松本は?

E 安保法を成立させた中谷は、共産にとって“敵の本丸”だ。香南市にはPAC3(地対空誘導弾パトリオット)もあり、松本の平和を求める訴えにも力が入る。

B 公示前から党幹部がたびたび入り、党書記局長の小池晃が来た14日は高知市の中央公園に400人が集まった。

D 南国市の演説会では参院議員の仁比聡平が「戦争法を作った暴走大臣に1区を任せるわけにはいかない」と訴えた。対決姿勢を鮮明にして批判票の取り込みを狙っている。

C 社民などとの野党共闘が成立し、自治労のうち県職連合も支援を決めた。

F とはいえ、松本は国政だけでなく、選挙自体が初挑戦。出馬表明は1年前にしていたが、知名度は中谷、大石にはかなわない。

E 親しみやすい人柄で郡部の支持者の受けはいいが、四国唯一の必勝区というほどの広がりは見られないね。

◇ 

A 地域別の戦いはどう?

E 室戸市は激戦の様相。大石は母親の出身地で親戚筋や元県議が支援する。

F 演説会には150人が集まり、世論調査でも東部は比較的支持が厚い。民進系市議がいる香美、香南、南国3市でも票を上積みしたいところだ。

C 安芸市は自民入りして日が浅い野町雅樹が精力的に動いている。自民は中東部の若手県議らのフットワークも軽い。

D 首長の大半は、中谷のマイクを握ったり、演説会に参加したりしている。香南市長の清藤真司は、県議時代の大石との関係などから「静観」と言っていた。

B 香美、南国両市は共産系市議が計9人そろう。両市では17日に急きょ開いた松本の演説会に、それぞれ100人前後を集めていた。

A 有権者の5割強がひしめく高知市は?

D 中谷は業界団体回りを重ね、自民県議、市議も動いて支持固めを図っている。

B 大石は頻繁に街頭に立ってきたし、若手経営者のつながりもある。松本は県議、市議の組織力をフル回転させている。

A 終盤の世論調査でも関心度は2区より高い77・8%だった。追う2人の訴えがどれだけ響くかが、差を詰める鍵になるね。

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