2017.10.15 08:15

[2017衆院選] “有事下”安保論戦に熱 PAC3配備の高知県香南市

衆院選のさなか、陸上自衛隊高知駐屯地に配備されたPAC3のそばで作業に当たる隊員ら(11日午前、香南市香我美町上分)
衆院選のさなか、陸上自衛隊高知駐屯地に配備されたPAC3のそばで作業に当たる隊員ら(11日午前、香南市香我美町上分)
 10日に公示された衆院選は中盤戦を迎え、各候補は選挙カーで走りながら、あるいは街頭に立って、さまざまな政策を懸命に訴えている。熱い持論、ぶつかる主張。そんな舌戦たけなわの選挙戦の中に、これまでとは異なる光景がある。

有権者 不安と疑問
 PAC3―。

 北朝鮮が高知県などの上空を通過する弾道ミサイルの発射を予告したことを受け、香南市の陸上自衛隊高知駐屯地に展開された地対空誘導弾パトリオット。迎撃用とはいえ、県内に「ミサイル」が配備される中、有事を警戒しながら選挙戦が展開されるのは、おそらく戦後初だろう。

 香南市を含む高知1区に出馬している3人は、14日までに同市で街頭演説や個人演説会をそれぞれ開いた。

 「平和安全法制が成立し、北朝鮮問題にもしっかり対応できる状態になった」(自民党前職の中谷元氏)

 「効果的な圧力と同時に平和的な解決へ対話の糸口を探っていくことが大切だ」(希望の党新人の大石宗氏)

 「軍事的圧力を高めるだけの戦争法(安保関連法)は廃止にすべきだ」(共産党新人の松本顕治氏)

 北朝鮮情勢の緊張の高まりを踏まえて、安保・外交政策に関する訴えが熱を帯びる中、3人の演説に耳を傾けた地元の人たちはどう感じたのか。

 中谷氏の応援に来ていた野市町の男性(87)は「北朝鮮がミサイルを撃ってきたら、撃ち落としてもらわな。無防備でなすがまま、というのはいかん」と語気を強める。夫が予備自衛官だという同町の女性(46)も「戦争反対、だけじゃ国民は救えない。憲法には自衛隊をちゃんと明記してほしい」と語った。

 大石氏の演説を聞いた赤岡町の女性(81)は「自衛隊を信用しちゅう。北朝鮮のミサイルは怖いけど、あれ(PAC3)が撃ち落としてくれるろう」と不安と期待を口にしたが、一方で同町の別の女性(80)は「PAC3があるからといって安心できるわけじゃない。効果があるのか、私はよく分かりません」。

 松本氏の演説に駆け付けた野市町の女性(66)は「ミサイルははるか上空を飛んでいく。PAC3はそこまで届かず、危機感をあおっているだけ」と指摘。幼い娘3人を育てている同町の女性(37)は「娘の友達にはお父さんが自衛隊員の人も多く、『○○ちゃんのお父さんも戦争に行くが?』と聞いてきます」。

 県民市民の間にさまざまな感情を押し広げている北朝鮮問題。PAC3は今日も発射機を「北の空」に向けている。



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