2017.10.13 14:23

【71回県展 特選画廊】(3)書道「しら雪」中岡祥舟(高知市)

「元永」に心引かれて
 平安後期に藤原定実が書写したとされる国宝の「元永本古今和歌集」。優美な書体と、染紙に唐草や七宝の文様、金銀箔(はく)を散らした料紙に特徴がある。

 「モーツァルトの曲にも似た書で、見ていると心が浄化されます」。40代で書を始めた頃に心引かれた題材で、2年前の県展から本格的に臨書に取り組んできた。

 「元永の雰囲気を残しつつ、新しい表現をするか」が課題。師匠の田頭一舟さんの指導を受けながら試行錯誤を重ねた。暑かった今夏は、小筆が乾燥しやすく濃淡の表現に一苦労。装飾が施された料紙は筆運びも難しく、「一字一字刻むように書いた」と振り返る。

 「元永―」を再現した色鮮やかな料紙を巧みに使い、書との共鳴を試みた。梅の花の料紙にはウグイスの和歌を書き、「余白の美しさ」や「行と行の響き合い」を意識した。

 無鑑査作家の仲間入りを果たし、創作意欲にあふれている。

 「しっかり臨書をして古筆を手の内に入れる。これを出発点に平安仮名の世界を突き詰めたい」


なかおか・しょうしゅう 本名・祥子 1938年高知市生まれ。神戸笹波会参与、日本書芸院一科審査員。特選3回目で無鑑査。

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カテゴリー: 文化・芸能県展文化


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