2017.10.13 08:15

候補者の横顔(2) 松本顕治さん(33)共産党・新 高知1区

私は「命を守るための総選挙」を戦う
単に反戦ではなく
 月400時間働いて手取り13万円の若い男性が「こんなもんすよ」と笑っていた。山間の90代の女性が「今の生活が一番しんどい」と話した。

 「命を守るための総選挙」だという。

 「単に戦争か平和かというだけではなくて、奨学金、働き方、社会福祉を見ても、今は人の命が粗末にされている。給付型奨学金や最低賃金の引き上げなどを実現して、命を大事にする政治に変えたい」と訴える。

 福岡市出身の33歳。父は共産党勤務。ただ日常、党や政治の話を聞くことはなかった。元党議長の宮本顕治氏の著書が並ぶ本棚を見て、自分と同じ名前の物書きがいるんだな、と思っていた。

 選挙速報をテレビで見ていても、共産党の議席獲得数はなかなか「1」にならない。「なんでこんな勝てない党を応援してるんだ」「なんで共産党だけが社会を変えるって言えるんだ」と、父親とけんかになった。実家の壁のポスターを見た友人に「共産党なんだ」と言われ、「そうなんよ…」とだけ返した。

 反発も感じた青年期だったが、国民主権や反戦を訴え、政党助成も企業献金も受けずに来た党の歴史に、強い敬意を抱いていた。知人に誘われ、15歳で民青同盟に参加、18歳で入党した。

 2013年、初めての子を死産で亡くした。妻と悲しみに暮れる横で、テレビの向こうでは集団的自衛権を認めるか否かの議論が進んでいた。

 命を軽んじていると感じた。「武器を持って外国に送られ、人を殺して帰国して、自分の子をどんな気持ちで抱くのか。そんな思いを彼らにさせるのか」。安保法制への怒りが、政治に挑む今の原点になった。

 「広末涼子さんに会えるかもって。マジで恋する5秒前でしたから」と選んだ高知大では演劇に熱中、今も劇団の役者をしている。愛称は学生時代から「マツケン」。「金色の衣装の方より僕の方が先です」と笑う。

 芝居で鍛えた声は温和なナレーションのように、耳に響く。

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