2017.10.12 14:30

【71回県展 特選画廊】(2)先端美術「吾妻ノ国阿土雲命大社縁起」野町直文(安芸市)

先端美術「吾妻ノ国阿土雲命大社縁起(あずまのくにあとむのみことおおやしろえんぎ)」野町直文(安芸市)
先端美術「吾妻ノ国阿土雲命大社縁起(あずまのくにあとむのみことおおやしろえんぎ)」野町直文(安芸市)
想像力を喚起させる

 「好きな現代美術作家に評価され、誇らしい気持ち」

 相好を崩した野町直文さん。作品は空間を使った展示だ。台上に薄い鉛の板を組み合わせて作った鳥居。背景の壁にはパネル2枚を掛けた。一つは太陽を背に飛ぶ白い鳥。もう一つは無数のドットに何やら景色が見える。自然と見入って考えを張り巡らしたくなる。

 審査員の柳幸典さんは「想像力を喚起させる」と評した。作品に込めた概念の部分を大事にする作家の、最上級の褒め言葉だった。

 テーマは「見えない恐怖に陥った時、古代人はどうするのか」。大学で古事記などを学んだことが独特なイメージの源だという。

 ドットのぼんやりした景色。実は福島の原発事故時の画像を拡大したもの。「おそらくこれは見ても分からないはず」と語る。「現代でも手に負えない状況に対して、戸惑いながらも考え行動すると思う」。荒ぶる神を鎮めるための鳥居。太陽の化身ともされるヤタガラスを登場させた。

 人間は試行錯誤し、困難に立ち向かう存在。前を向いて進むことを示唆するようだ。

 のまち・なおふみ 1971年安芸市生まれ。初特選。写真部門でも今回入選。

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カテゴリー: 文化・芸能県展文化安芸


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