2017.10.12 14:30

【71回県展 特選画廊】(1)洋画「生きる」大崎みどり(高知市)

人生を一つの絵に

 美容師の見習いをしていた10代後半、帯屋町で油絵の具を並べている店を見つけて、引き付けられた。

 キャンバスと一通りの道具を買いそろえ、独学で身近な静物などを描いた。「習いに行く時間がないから、月曜の休日や夜9時、10時にコツコツ。手探りでした」と振り返る。

 20代で独立し、結婚、出産…と忙しい日々を送りながら絵筆を捨てなかった。県展に約40年出品し続け、初めての特選だ。90代のなじみ客の人生がモチーフになっている。

 「戦中戦後の物がない時代、苦労した話をたくさん聞いて、その人生を一つの絵にしたいと思いました」

 壊れた傘を積んだ手押し車を、麦わら帽子をかぶったおばあさんが押している―。大きな帽子と手のみで人物を表現するなどデフォルメが効果的だ。審査員が「何でできているのだろう?」と不思議がっていた絵肌の凹凸は、絵の具とティッシュペーパーを混ぜ合わせるという独自の手法で作り出した。

 「山を登った先に、御来光が見えたという感じ。苦労して苦労して、初めて見えました」と喜びを語った。

おおさき・みどり 1949年高知市生まれ。褒状2回。初特選。

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カテゴリー: 文化・芸能県展文化


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