2017.10.08 08:05

[2017衆院選] 見極める信この国の信 東西 戦いの構図(下)

前・新順で、左から山本有二氏、広田一氏
前・新順で、左から山本有二氏、広田一氏

【高知2区】与野伯仲の一騎打ち
 「退路を断って純粋無所属で立ち上がる。幅広い政治勢力の結集が必要だ」

 10月5日、高知市内で会見を開いた広田一氏が決意を述べた。

 参院議員から衆院高知2区へのくら替え出馬を表明して1年8カ月。公認が内定していた民進党の“解党”を受けた結論は、希望の党でも、立憲民主党でもなく、比例復活のない無所属だった。

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 もともと広田陣営は、県内野党の結集による2区の戦いを視野に入れていた。

 イメージするのは昨年の参院選徳島・高知区。野党統一候補として立った無所属新人は、自民党現職に敗れはしたものの、高知県では大票田の高知市など5市2町で競り勝った。

 民進党県連代表だった広田氏はこの参院選を通じて、野党間や市民団体との信頼関係を構築。2区に公認候補を立てていた共産党内には、当初から「広田氏で勝ちに行く」と口にする幹部もいた。

 衆院解散と同時に起きた野党再編で共闘のイメージは揺らぎかけたが、共産党県委員会の春名直章委員長は「無所属で出馬するなら候補を取り下げる」と“ラブコール”。6日に取り下げを表明すると、7日夜の共産党の演説会では広田氏がマイクを握り、両者の良好な関係を印象付けた。

 ただ、民進党県連幹部は「保守層、無党派層にウイングを広げるため、あまり党派色が前に出るべきではない」と懸念を口にする。広田氏が「純粋無所属」を強調するのもそうした戦略に裏付けられている。

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 広田氏を迎え撃つ自民党前職、山本有二氏は安倍晋三首相とも近いベテラン。昨年は農相として2度目の入閣を果たし、実績を引っ提げての戦いになる。

 ただ、環太平洋連携協定(TPP)承認案を巡り失言を連発。山本陣営は長く支援を受けてきた県内農家の離反を懸念していた。

 それでも、9月10日、高知市内で開かれた山本氏のパーティーにはJAグループ幹部らが出席。来賓あいさつでは、官邸主導で進んだ農協改革など安倍首相への批判を織り交ぜつつ、「大臣経験を生かして今後も農政をリードして」と激励した。山本氏も「地方のインフラはまだ脆(ぜい)弱(じゃく)だ。これからなすべきことがある」と意気込みを強調した。

 その後、JA高知グループの政策協議機関「県農協農政会議」は山本氏ら与党前職を推薦。公明党の推薦も決まり、今回も自公協力が成立した。2区全域に張り巡らされた党支部、後援会との連携も強め、組織戦の陣立ては整った。

 7日、自民党県連が高知市内で開いた総決起大会には500人以上が結集。桑名龍吾幹事長は、安倍内閣の支持率低下に触れつつ、「共産党系無所属の候補に日本の安全保障を任せていいのか」と2区で相まみえる広田氏をけん制。山本氏も「背水の陣。きわきわの戦いだ」と訴えた。

 伯仲の短期決戦が幕を開ける。激突の公示まであと2日―。


立候補予定者(前・新順、()数字は当選回数、敬称略)
山本有二65 前農相   自 民・前(9)
広田 一48 元参院議員 無所属・新



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