2017.10.07 08:20

[2017衆院選] 見極める信この国の信 東西 戦いの構図(中)


【高知1区】安保問う三つどもえ
 解散風が急速に強まった9月20日夜。高知市内の飲食店に民進、共産両党の県幹部らが顔をそろえた。

 高知1区に大石宗氏、2区に広田一氏を擁立する民進党と、松本顕治氏を立てる1区を「必勝区」に位置付ける共産党。野党共闘の議論は、タイムリミットが迫っていた。

 「2区では(共産党候補を降ろして)広田さんを応援できる。でも、条件がある。1区の大石さんの公認を取り消してほしい」

 席上、共産党幹部がそんな“直球”を投げ込んだ。

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 野党共闘で民進、共産両党の橋渡し役となってきた市民団体「高知憲法アクション」は、安全保障関連法廃止を訴える集会を頻繁に開いてきた。そこに度々参加していた広田氏に対し、県議時代から保守的な立場を取る大石氏はほとんど顔を見せなかった。

 「大石はなぜ来ない」「安保法に反対できないのなら共闘はない」。集会の出席者らはいら立ちを募らせた。1区は防衛相として安保法成立を主導した自民党前職、中谷元氏の牙城。反対派にとっては“最大の敵”だ。

 それでも大石氏は周囲にきっぱりと話していた。「安全保障は現実的な観点で議論を深めないといけないし、地域にはもっと大事な課題がある。僕は無所属でも出馬するつもりだ」
 そんな時、突如持ち上がったのが、民進党の希望の党への合流だった。

 安保法を事実上容認し、憲法改正論議にも積極的な希望の党。民進党が掲げてきた政策とは異なるが、大石氏が合流を決断するのに時間はかからなかった。

 「今までの自分のスタンスと整合性は取れている」。今月4日、希望公認の候補として出馬会見に臨んだ大石氏は、すっきりとした表情で語った。

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 「立憲主義破壊の戦争する国造りを止めて、国民の命と暮らしを守り抜く政治に大きく変えていく」。共産党の松本氏は、1日の事務所開きで声を張り上げた。

 「希望は自民の補完勢力だ。非常に分かりやすくなった」

 三つどもえの構図が固まり、共産党県委員会の春名直章委員長はそう強調した。自民、希望と政策論争を交わせば、安保法や憲法改正に反対する共産党の存在感が際立つとの考えからだ。

 これに対し、元防衛相の中谷氏はその実績を前面に打ち出す。安保法の審議では、答弁書を繰り返し読み上げる“硬直答弁”に野党が反発。審議中断や答弁撤回を重ねた経緯もあるが、緊迫する北朝鮮情勢を踏まえ、安保法の必要性を強調している。

 「日米で協力しないと国は守れない。平和安全法制(安保法)を作っておいて良かった」。6日、高知市で開かれた政策討論会で中谷氏は、そう話して胸を張った。

 自民、共産、希望。安保法が成立してから初めてとなる今回の衆院選は、それぞれの主張を戦わせる場となる。


■立候補予定者■
(解散時の衆院勢力順、丸数字は当選回数、敬称略)
中谷元  59 元防衛相   自 民・前(9)
松本顕治 33 党県常任委員 共 産・新
大石宗  37 元県議    希 望・新



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