2017.10.06 08:15

[2017衆院選] 見極める信この国の信 東西 戦いの構図(上)

民進党など野党4党が欠席する中、衆院が解散され万歳三唱する議員(9月28日、衆院本会議場)
民進党など野党4党が欠席する中、衆院が解散され万歳三唱する議員(9月28日、衆院本会議場)
【冒頭解散】安倍1強の5年審判へ
 「国難を乗り越えるため、国民の声を聴かなければならない」

 安倍晋三首相は9月25日の会見で、少子高齢化や北朝鮮の脅威に触れて「国難突破解散だ」とぶち上げ、臨時国会冒頭の28日に衆院を解散すると表明した。

 奇策だった。国会召集初日の解散は過去3度だけ。しかも安倍首相は改造内閣を8月に発足させたばかりだ。新内閣が国会で本格的な質疑を経ずに解散した例は現憲法下で一度もない。

強硬姿勢
 安倍首相は2012年の政権復帰以来、各種世論調査で高い内閣支持率を維持。国政選挙でも連勝して「1強体制」を固め、経済政策「アベノミクス」などを推進してきた。

 転機は2015年7月、安全保障関連法案の採決だった。「憲法違反」との疑念を残したまま法案を押し通す姿勢に世論の懸念が強まり、以降、内閣支持率は下降線をたどる。2016年5月の高知県民世論調査でも安保法の反対派が約半数を占めた。

 それでも、「戦後レジーム(体制)からの脱却」を掲げてきた安倍首相は強硬姿勢を崩さなかった。2017年5月には改正憲法を2020年に施行する意向を表明。翌6月には参院の委員会採決を省略する強引な手法で、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法を成立させた。

 「安倍1強」のひずみが表面化したのが森友・加計(かけ)学園問題だった。

 国有地の売買や獣医学部の新設を巡り、首相に近い人物が行政の判断をゆがめ、官僚らの忖度(そんたく)があったのではないかとの疑惑が生じた。

 「真摯(しんし)に説明責任を果たす」。安倍首相は6月にそう弁明したが、疑惑解明へ野党が要求した臨時国会の召集は、3カ月も放置。その末の冒頭解散だった。

三極対決
 北朝鮮を巡る情勢は、国全体に、ものものしい雰囲気を漂わせている。8月、9月には北海道上空を通過する弾道ミサイルが発射され、大規模な核実験も行われた。高知県の上空通過に備え、香南市の陸上自衛隊高知駐屯地に迎撃用の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が配備された。

 突然の衆院解散はそうした情勢を受けた「国難」への対応というよりも、野党側の準備不足を見越した「不意打ち」の側面が強かった。9月中旬までは民進党の「離党ドミノ」が続き、小池百合子東京都知事らによる新党の準備が進んでいなかったためだ。

 状況が一転したのは解散直前。小池氏の「希望の党」立ち上げを契機に野党再編が一気に進み、安倍政権と希望、そして民進党リベラル派が結成した立憲民主党をそれぞれ中心とする三極が対立する構図が固まった。

 県内2小選挙区では、ともに10選を期す自民前職に対し、希望、共産、無所属の新人がそれぞれ挑む。

 国民、県民は「安倍1強」の継続を望むのか、それとも政治の形を変えるのか。この国の「信」を見極める、衆院選のスタートラインが引かれた。



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