2017.09.26 08:25

明治期の人権活動家、大江卓へ謝意の旗展示 高知県の宿毛歴史館

大江卓に1873年に贈られた大旆(宿毛市の宿毛歴史館)
大江卓に1873年に贈られた大旆(宿毛市の宿毛歴史館)
 明治期に人権活動家として活躍した高知県宿毛市出身の大江卓(1847~1921年)が、横浜市で1872年に起きたペルー船籍のマリア・ルス号事件を解決したお礼に華僑の互助組織から贈られた旗が、24日から宿毛歴史館(宿毛市中央2丁目)で初めて公開されている。大江はこの事件の裁判で清国人の奴隷解放を実現。後に「近代ヒューマニズムの先駆者」と評される原点となった、価値ある歴史的資料だ。

 大江が神奈川県の官吏を務めていた1872年、横浜港に入港したマリア・ルス号の船内で奴隷の扱いを受けていた清国人が、助けを求めて脱出した。日本にとって初めての国際裁判で、大江は特設裁判所の裁判長として、清国人への虐待行為を認定し、清国人229人の解放を条件に出港許可を出した。

 植民地などで劣悪な労働環境を強いていた欧州列強から強い干渉がありながらも、大江は屈することなく、人道上の重大問題だとして裁判を続けた。

 大旆(たいはい)と呼ばれる旗は、華僑らの互助組織である横浜中華会館が事件解決に感謝して1873年に贈呈。1959年に大江の遺族から寄贈された神奈川県立図書館(横浜市)が所蔵している。縦3・49メートル、横1・88メートルの赤のサテン生地に獅子などが刺繍(ししゅう)され、謝辞と漢詩が金の筆文字でびっしりつづられている。

 同図書館の企画以外に貸し出されるのは初めてで、志国高知幕末維新博関連企画展「宿毛の大江卓」の目玉として、11月5日の会期末まで展示される。展示に合わせて宿毛市を訪れた同図書館の島田圭副館長は「めったに公開しない貴重な資料を宿毛で展示できるのはうれしいこと。素晴らしい偉業を成し遂げた大江を知って郷土の誇りを感じてほしい」と話している。

講演会や上映会も
 企画展に関連した歴史講座「大江卓とフェリス・横浜」が、宿毛文教センターで30日午前10時~11時半に行われる。大江が学校創生期に支援したフェリス女学院(横浜市)との関わりを、フェリス女学院大学の大西比呂志教授が講演する。

 10月11日には、2009年に横浜市で上演された舞台「マリア・ルス号事件」のDVD上映会を宿毛文教センターで行う。午後3~5時。いずれも入場無料。

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カテゴリー: 主要社会幕末維新博幡多観光


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