2017.09.14 08:15

詐欺啓発10年 高知県窪川署の劇団おまわり

 地元住民も役者として参加した「劇団おまわり」の寸劇(四万十町榊山町)
地元住民も役者として参加した「劇団おまわり」の寸劇(四万十町榊山町)
高知県高岡郡四万十町で特殊詐欺被害の防止を寸劇などで訴える窪川署の「劇団おまわり」が、結成10年を迎えた。笑いを交えた軽妙な演技で犯行の手口をお年寄りらに分かりやすく紹介し、年間を通じて町内各地のイベントに引っ張りだこだ。近年は署員だけでなく、住民も役者として出演するなど、地域ぐるみの劇団として存在感を増している。 

 劇団は2008年、急増中の振り込め詐欺被害を防ごうと結成。町内の老人施設や学校、各種団体などの依頼を受け、署員ら5人ほどが年間5~10回、寸劇を披露してきた。

 おれおれ詐欺や送り付け商法など、時代に応じた手口を取り上げ、劇を収録したDVDも作製している。

 劇団員を務める署員の転勤が相次ぎ、一時は存続の危機もあったが、高校生や住民らが役者に加わることで世代や職業を超えて活動の輪が広がっている。

 8日は、JA四万十が年金受給者などを対象に町内で開いた感謝祭に出演。老人ホームへの優先入居権が当たった高齢者夫妻に「名義を貸して、(希望者に)権利を譲って」と弁護士らが持ち掛ける設定で上演した。

 町職員や司法書士、JA職員らも舞台に立ち、悪徳弁護士役らが「名義貸しは犯罪」と夫妻を脅し、示談金を宅配便で送るよう指示する様子に、約300人の来場者は「良心につけ込んじゅう」「うまい話は危ない」と語り合っていた。

 県警によると、今年の県内の特殊詐欺被害は8月末時点で30件、被害額は約4720万円に上る。窪川署管内で被害は出ていないが、県全体ではレターパックによる現金送付や、プリペイドカード式の電子マネーで支払わせる新しい手口が増えているという。

 役者2年目の同署刑事生活安全課、中川皓之(ひろゆき)巡査長(34)は「取り合わないことが一番。詐欺の手口を知ってもらえるよう、今後も楽しく分かりやすい寸劇を披露していきたい」と話している。

カテゴリー: 社会高幡


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