2017.09.13 08:00

声ひろば 2017年9月13日、水曜日

1.新米と先輩
【市川顕、76歳、税理士、大阪市淀川区=いの町出身】
 盛夏の8月中旬に、ふるさとの友から宅配が届きました。不在にしていましたので、受け取りは1日遅れました。炎天下に大汗をかきながら再配達のドライバーに申し訳なく思いつつ、来訪をこころ待ちにしていました。
 翌夕、長男が応対しました。玄関口から「重い重い」の連呼に、その中身は大量の新米だとわかりました。一瞬友の笑顔が浮かび、感謝の念とよろこびが湧いてきました。ふるさとの新米の味は格別です。しかも日本で一番早い新米です。その郷愁に胸がいっぱいになりました。
 在阪の校友会の幹事は昨春その席を後輩に譲るまで、25年間誠実に務めました。少しでも人のために役立つならばと思い、物心両面にわたり全力を尽くしました。その功を労(ねぎら)ってか、先輩2人に昨秋に続き8月下旬、私の自宅近くまでご足労をたまわり、夕食をごちそうしていただきました。
 先輩はいずれも80歳をゆうに超えておられます。おみやげにと、その新米をオスソワケしました。当日持ち帰っていただくにはあまりにも重く失礼と思い、事前に郵送しておきました。
 当日は新米の話はもとより、互いの人生を語り続けました。まさに談論風発のひとときを過ごしました。私もいつの日かこの先輩のごとく大きな心であたたかく後輩を慰労する機会に恵まれたいと願いました。

2.佐川町にもあった
【河合加与子、55歳、小児科医、佐川町】
 以前、この欄で確か南国市だったと思うが、近くの雑木林のため自宅が日当たり不良であり、その土地が市の所有だったため連絡すると、すぐさま伐採など対処してくれた。大変ありがたく、南国市には「すぐやる課」があるようだという投稿を読んだ記憶がある。
 もう何年にもなるが、うちの自宅前の町道のアスファルトがかなり広範囲に亀裂が生じており、雑草がほぼ年中生えていた。自宅周辺の美化活動は住民の義務。できる範囲で草取り、除草剤をまくなどして対処をしていた。けれど、なかなか十分にはできていなかったためだったろう。時には誰かわからないご近所さまが自分の土地の草刈りのついでだと思うが、刈ってくれていたこともあった。
 しかし、アスファルトの状態の改善をしないことには、現状維持のままであるし、草取りが心と体の負担になってきていたため、意を決し夫に頼んで町に連絡をいれてもらった。
 すると、なんということだろう。その日帰ると、自宅前の道路の亀裂部分はきれいにレミファルトで覆われているではないか。長い間、悩んでいたので、本当に心が晴れ晴れしてうれしかった。
 こんなにもすぐに対応してくれて、本当にありがたかった。佐川町にも「すぐやる課」があるようだ。

3.まじない
【松本和明、78歳、高知市】
 カメラ画像をPCに取り入れるべく、連結したカメラを起動した。ところが、カメラの電池量不足がわかった。早速充電器を、と所定場所を見るがない。
 「そうだ。緑色の布袋に入れて新たな場所に置いた」のを思い出したが、その場所が思い出せない。仕方なく心当たりを手当たり次第に探したが、どこにも見当たらない。情けなくなり腹立たしさがつのる。
 「見つからんかね」という家内に「もう、店で取り寄せるしかないか」と返すと、家内が「やかんにお願いしたら」といった。「あっ、そうだ!」と藁(わら)にもすがる思いで、コーヒードリップポットのつる首に糸を結んで、手を合わせてお願いした。
 翌朝、「七度探してなんとやら」をつぶやきながらの再挑戦も効なし。休憩してコーヒーを飲んでいた時、突如「物置の赤い入れ物」が頭に浮かんだ。
 「もしや!?」と急ぎ物置の赤い入れ物を探ると、なんと緑色の布袋が目に入った。家内に「あったぞ!」と見せると、「早うお礼をして」とせかされ、すぐにドリップポットの前に充電器を置いて丁重にお礼をいい、糸を解いた。
 不思議なことに、これまでもこのまじないで随分助けられた。家内がポツリといった。「あんたの物忘れも、治してもらえればいいのにねえ」

4.父母と叔父のカニ汁
【野中和美、88歳、須崎市】
 時折降る大雨の時には小学生の頃、江ノ口に住んでいた叔父と父が大雨の時、カニを取ってカニ汁を作った事を思い出します。
 叔父が実家へ休みに来ていた時、大雨が降りだしました。父が「これほど雨が降ったらカニがくだるだろう」と叔父をさそい、紺のハンコ(袖が短く身丈もすねまで)を着て地下足袋をはき、みのかさをつけて、七つ道具をかまえました。
 竹すと、それを固定するくいと、はさみ火ばしと大きなカゴを持って行きました。なわもいろいろと。竹すを張り、くいで固定してカニが流れてくるのを待ち、竹すへはい上がるのをはさみ火ばしでつかまえるのです。一度見た事があります。
 3時間ぐらいすると叔父と父がニコニコして帰りました。見るとカゴにたくさんのカニがあわを吹いて動いていました。母も手伝いカニを洗い、カニには悪いけれど、甲らを取り、水洗いして石うすでついて、かごでこして、それをおなべに入れぐつぐつ炊き、母がナスを取ってきてそれへ足して、おいしいカニ汁ができました。素朴な味ですが何とも言えぬおいしさでした。
 70年ぐらい前の事ですが父母、叔父の顔をハッキリおぼえています。大雨が降るとカニ汁をなつかしく思い出しています。

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