2017.07.16 08:25

高知農高の寮に86人ぎゅう詰め “暑い”青春を謳歌中

狭い舟入寮の部屋で談笑する生徒たち。2017年春、満杯状態になった(高知県南国市東崎)
狭い舟入寮の部屋で談笑する生徒たち。2017年春、満杯状態になった(高知県南国市東崎)
 高知農業高校(高知県南国市東崎)の「舟入寮」に2017年春、1978年の開設以来、最も多い86人が入寮している。生徒増加に加え、近隣に実家があっても部活動に専念するため寮生活を望む生徒が増えたためだ。学校は部屋の定員を1人増やしたが、ほぼ限界状態。それでも生徒たちはぎゅうぎゅう詰めの“暑い”青春を存分に謳歌(おうか)している。

 舟入寮は高知農業高校東隣に立地し、最大92人が入寮可能。3棟に分かれ、現在は男子用の「南棟」と「陸上棟」の計17部屋に各4人ずつ、「女子棟」の6部屋に3人ずつが入居している。

 各棟とも1部屋は12畳ほど。ドアの左右に2段ベッドが一つずつあり、その奥には4人分の机がせり出しているため、成長盛りの高校生が動き回れるスペースはほとんどない。

 「今年からさらに空気が薄くなったような…」。陸上部の3年、秋山侃樹(なおき)さん(17)=高知県香南市出身=が笑う。

 高知農業高校は、入試がいわゆる「一発勝負」方式になった2015年度から志願者が急増。2017年春の入学生は2014年度より49人多い205人で、在校生(591人)はこの3年で93人増えた。

 入寮希望者もそれに応じて増え、2017年春から男子用2棟を3人部屋から4人部屋にして対応したが、それでも何人かの入寮を断ることになった。

 高知農業高校で通算25年勤める田中彰治校長は「初めての事態。地域と交流を進め、魅力発信に努めた成果が出た」と笑顔で話しながらも、「寮がまさかこんな満杯になるとは…。窮屈だが、我慢してほしい」。申し訳なさそうに声のトーンを落とした。

 寮生の大半は運動部に所属。遠隔地はもちろん、近隣に実家のある生徒も、練習時間確保のため寮を選ぶ場合が多い。陸上部2年、徳弘直也さん(16)=南国市出身=は「長距離の練習に集中したかった。仲間とこれだけ近いと気合も入る」。半裸で洗濯物を干していた門田雄誠さん(15)=宿毛市出身=は「掃除、洗濯は慣れた。先輩は優しいし、ごはんもおいしい。楽しいっす」と満喫している。

 寮費は3食付きで月4万2千円。毎食ごとに35~40キロ炊くコメは生徒が実習で育てたものを使ってきたが、「今年はとても足りない」(田中校長)と調達先を検討中だ。

 朝に夕に練習に励む寮生のために学校は急きょ、洗濯機5台を新たに購入し、計22台が連日フル稼働。校長の悩みをよそに、“アツい”寮生活を送っている。

カテゴリー: 社会香長


ページトップへ