2017.06.14 08:30

【高知FD前期の軌跡】(中) 「地力」なかった

2―9で敗れた愛媛MP戦。高知FDにとって優勝から遠ざかる敗戦だった(5月14日、新居浜球場)
2―9で敗れた愛媛MP戦。高知FDにとって優勝から遠ざかる敗戦だった(5月14日、新居浜球場)
 四国アイランドリーグplusの試合、戦績などを基に、高知ファイティングドッグス前期の戦いぶりを振り返る。

 ゴールデンウイーク最終日の5月7日、それまで首位を走っていた高知ファイティングドッグス(FD)は2位に転落した。首位の徳島ISと五つの直接対決を含む13試合を残しており、下を向く時期ではなかった。

 10、11日、天王山とされた徳島ISとのビジター2連戦も、1戦目を落としたが、2戦目は終盤4点差を追い付き8―8。負け試合を引き分けに持ち込む気迫が見て取れた。

 だが、中2日で迎えた5月14日、愛媛MPとのビジター戦。先発丸山が5回7失点と大乱調。打線もつながりを欠き、マニーが本塁打を放つも2―9で敗れた。内容のない展開に、駒田徳広監督が選手だけのミーティングを命じた。

「意思」共有できず
 複数の選手に取材した。首位の徳島ISに食らい付くため、何を確認し合ったのか知りたかった。

 主将嘉数が「やらなきゃいけない時がある」と答えた以外、他の選手は「○○は何て言ってた?」「(○○の言葉が)よく聞こえなかった」と話していた。

 結果論だが、優勝を争うシーズンには負けてはいけない試合がある。それがこの愛媛戦だったはず。絶対に落とせない試合を落としたにもかかわらず、チームとして危機感や意思が何一つ共有できていなかったのだ。

 2015年、高知FDに在籍していた現阪神・藤川球児が語っていた。「びしっとチームになるためには個々の強さがいる」「『自分がやってるんだ』、という気持ちを出し、プライドを持たなきゃいけない」

 高知FDは“戦う集団”になりきれていなかった。引き分けを挟んで8連敗が始まった5月5日、指揮官が「チームが『死ぬ』のが一番怖い」と話していたことも現実になってしまった。

外国人選手の傘
 今季就任した山越吉洋野手コーチが「選手が勝ち方を知らない」と嘆いていたが、リーグ最多の残塁がそれだ。

 徳島IS256に対し、高知FD292。「ゴロを転がすだけで1点の場面で簡単に凡打したり、狙ってない球に手を出して三振したり。打席でプランがなく工夫がない」(駒田監督)。無死二塁でも「何とか進塁打を」という気持ちの入った打撃は少なかった。「チャンスに一本が出ない」以前の問題だった。

 チーム打点145のうち、ザック(打率3割3分9厘)、アンダーソン(3割9厘)、マニー(4割6分)がおよそ半分の69を稼いだ。10試合勝ちがない時期に限れば、ザックが2割2分5厘、アンダーソンが1割7分1厘と不調に陥り、マニーは家族の事情で一時帰国していた。3割をキープした5年目山下、元オリックス深江、新人安藤以外、開幕スタメンの宮下、銀二郎、ハン・ソングは1割台。祐人は2割1分台だった。それらの数字が、高知FDが外国人選手3人のチームだったことを物語っている。

 投手では先発の丸山、嘉数、岡部でチーム17勝のうち14勝。中継ぎ和田は15回2/3で防御率1・72(1勝)、抑えの羅は21回で防御率0・86(9セーブ)と役目を果たしただけに、監督が「率の低い野手が少しだけ率を上げてくれたら…」と嘆いていたのもうなずけた。

 外国人選手の“傘の下”でプレーしていた他の選手は、その傘が取れた途端、力のなさを露呈した。つまり、チームに「地力」がなかったということだ。 


(FD連敗の記録/)
5月5日 ● 2―3 香川
  6日 △ 5―5 徳島
  7日 ● 1―4  〃
  10日 ● 2―3  〃
  11日 △ 8―8  〃
  14日 ● 2―9 愛媛
  18日 ● 1―6  〃
  19日 ● 3―6 香川
  20日 ● 0―8 愛媛
  21日 ● 0―5 徳島

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カテゴリー: スポーツFDスポーツ


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