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高知県の魅力を詰め込んだアンテナショップ「まるごと高知」が2010年8月、東京・銀座にオープン。高知新聞の連載記事「どう売る高知」を掲載したウェブページです。連載 どう売る高知 (6終)効果まるごと映る高知アンテナショップの歴史は、意外に古い。戦前までさかのぼる。 1933年。東京駅前の丸ビルが空き室対策を兼ねて北海道や香川、沖縄など14道府県を集めた「地方物産陳列所」が原点。「日々の売り上げも相当額に上った」と三菱地所の社史にある。 戦後の経済成長と開発ラッシュに伴い、各店は東京駅周辺に散らばる。銀座進出は比較的新しく、94年の沖縄店(銀座わしたショップ)がはしり。当時の大田昌秀知事の意向とされるが、「地価日本一への挑戦」に議会の反応も割れた。 ■やっぱり銀座「開店当初、知事が店の幹部に『赤字出したら首くくれ』と。冗談かと思ったら、目が笑ってなかった」 「わした」の古参従業員が振り返るように、アンテナ店の経営は甘くない。 沖縄県は運営主体の公社に一部出資しているが、賃料や人件費などの自治体負担はゼロ。他県の同規模の店が年間数千万円の補助を受けている中では異色の存在だ。
【写真】スタッフによる朝礼。高知を丸ごと売り出す初日を迎える(東京都中央区銀座1丁目の「まるごと高知」) ウコンに泡盛、人気爆発中のラー油…。沖縄が売り上げを伸ばすにつれ、北海道や富山、大分などが続々と集結した。今では都内44店のうち14店が銀座かいわいにあるが、巨額の公費を投入する以上、アンテナ店には「費用対効果」の目が張り付く。 新宿駅南口にあった「広島ゆめてらす」は県独自の事業仕分けの結果、ことし6月末で閉店した。賃料が毎年10%ずつ上がる契約が問題視されたためだ。 ただ、同県の経営支援課は「新しいコンセプトで仕切り直す。アンテナ店の意義そのものは薄れていない」。本年度中にも新店舗の構想を固める予定で、高知店のすぐそばで物色した形跡もある。やはり銀座を有力候補地としているようだ。 雑誌などで頻繁に特集が組まれるなど、アンテナ店の注目度は依然として高い。 もっとも銀座の関係者間ではこんな声も漏れる。「実は昨年がピークだったのでは…」。好調とされる複数の店でさえ「春の天候不順で青果が駄目だったせいもあるが、売り上げが前年比で落ち始めている」と明かす。 ■「大歓迎です」情報がはんらんし、日々更新されていく東京。注目度の下落は営業成績に直結する。それだけに、相乗効果を高める高知の銀座参入は同業他店から好感されている。 「『高知出店への対抗策は?』と取材で聞かれるけど、とんでもない。特産品が重ならないのがアンテナ店の魅力。本心から、大歓迎です」 沖縄の大宿永尚店長がこう言えば、高知、沖縄に近い「おいしい山形プラザ」の郷守武志副店長は、「うちにもお客様が流れるかも」と、高知の開店日には入荷量を大幅に増やすという。 ヒト、モノ、カネを吸い上げ続ける大東京で商いをし、地方にカネを還元させる。それがこれまでのアンテナ店だったが、還元のパイプをより太く、より多くしようと立ち上がる「まるごと高知」。 「公」だから可能なことと、困難なことがアンテナ店には混在する。課題は走りながらつぶすしかない。流通の枠組みでも、例えば県は、農協や県園芸連に加盟していない「系統外」の野菜も扱うよう汗をかくという。 波及効果は? 消費者ニーズへの対応力は? そして投入する公費との見合いは?―。問われるものも多い。良いも悪いもまるごと映し出す「まるごと高知」が、きょうから走り出す。 =おわり (2010年8月21日朝刊) Copyright (C) 高知新聞ホームページ. All Rights Reserved.
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