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15年12月26日付・朝刊

安保法「理解広がった」 就任1年の中谷防衛相に聞く

「ピースデポ」の田巻一彦代表

中国には対話重視で

 中谷元氏(衆院・高知1区)が2014年末、防衛相に就任以来、1年が経過した。集団的自衛権の行使を可能にする新たな安全保障法制の成立や沖縄の米軍普天間飛行場移設問題など、安保政策の担当閣僚として対応に追われた。「日本の独立と平和を守ることを全力で考え、行動した」。戦後70年とも重なった安保転換の1年。中谷氏に聞いた。 

 ―国民や野党の反対が強まる中、与党は採決を強行し安保関連法を成立させた。衆参200時間を超えた国会審議は再三紛糾し、答弁修正も目立った。

 「国民にさまざまな意見があることは承知しているが、決して戦争法ではなく、戦争を抑止し、国民の命と平和な暮らしを守るために必要不可欠な法律。憲法議論などで分かりにくい部分はあったかもしれないが、非常に専門的に議論した。私も2400回近く答弁し、私なりに誠実に正直に答えた」

 ―国民の理解が不十分なことは安倍晋三首相も成立時に認めた。

 「(安保関連法成立後)討論会やインタビュー、各地の会合で説明してきた。冷静に、地道に説明することで国民に理解や認識が広がってきたと思う。内閣支持率は50%近くまで回復し、いろんな人と話す中でも『日本の防衛、安全保障をしっかりするために当然必要』という意見が非常に多くなったと感じている」

 ―安保関連法の施行まで3カ月。「国際情勢の厳しさが増している」と成立を急いだが、準備が先送りになっている状況もある。矛盾していないか。

 「新たに行う任務は安全に配慮し、拙速を避け、周到な準備が不可欠だ。部隊の運用構想や内部規則を定めた上で訓練を実施し、『これなら大丈夫』と確信を持てるように任務遂行の能力を高めていく。隊員が迷わない基本原則を決め、習熟した上で出すということ。慎重の上にも慎重を期す」

 ―安保法制や日米防衛協力指針(ガイドライン)改定で、日米同盟が深化したという主張の一方、米国への従属との指摘もある。

 「自衛隊の活動全ては憲法と法律法令による。総理大臣、防衛大臣の指揮命令に従い、日本の国益を踏まえて主体的に行っている。日本の国益や憲法の趣旨にそぐわない、米国への協力はあり得ないと考えている」

 ―米軍普天間飛行場問題は法廷闘争に発展した。中谷氏自身がとなえてきた「対話」が閉ざされたのでは。

 「5、8月に沖縄を訪問するなど、翁長雄志知事や米軍基地所在の全首長から考えを聞いた。互いに合意できるのは『世界一危険』と言われる普天間飛行場の固定化があってはならないという点。政府としては辺野古移転が唯一の早期解決の手段という考えに変わりはない。西普天間の(米軍施設)返還が早まったことなどは話し合いの成果だ」

 ―国民には日本でのテロ発生の不安が高まっている。安保法制での対応も想定されるのか。

 「国家安全保障会議で常に情報収集し、何かあればすぐ対応を協議する。現在、政府は政策判断として、(過激派組織)『イスラム国』に対する軍事作戦の後方支援は全く考えておらず、安保法成立後も変わらない。今後も非軍事分野で、国際社会でのわが国の責任を果たしていく」

 ―安保法制も含め、官邸主導を強める安倍政治をどう評価する。

 「政治主導で今やっておくべきことを国民に明示し、勇気を持って発言、実行している。不測の事態まで考えて法律を改正し、経済や社会保障も非常に専門的な議論を通して対策を打ち、今年は景気も回復した。改革意欲に富み、この国を前に進めている」

 ―2016年は。

 「対外的には日本の信頼を維持し、海外にも積極的に行って韓国、中国にも日本の考え方を話したい。対話を重視し、互いの国の摩擦が大きくならないよう理解してもらい、日本の平和と安全を守る」

 【写真】「課題の解決策を見つけることに全力で取り組んだ」と話す中谷元・防衛相(東京・市谷の防衛省)

 


 

 

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