安保法制 関連記事



15年10月19日付・朝刊

安保法成立1カ月 高知大学の岡田准教授に聞く

岡田健一郎氏

「憲法や政治の話 ハードル下がった」

 安全保障関連法が成立してから10月19日で1カ月。反対の声は高知県内でも高まった。その中心「高知憲法アクション」の呼び掛け人の一人で、高知大学の岡田健一郎准教授(憲法学)にこの間の動きから見えてきたもの、いま何が問われているのかなどを聞いた。

 ―安保法制は憲法違反と訴えてきました。社会に、特に学生など若い世代に伝わっているという感覚はありますか。

 「基本的には伝わってないですね。でも、学生との世間話でも端々に『安保』という言葉が出てくるようになった。ニュースで聞いているんでしょう。中身を知った上での話かどうかというと微妙ですが」

 「私がよく行く銭湯では、おじさんたちが『いかに安保法が危ないか』と平然と言い始めた。それは大きい、と。政治の話は避けるという空気がありましたが、そのハードルが確実に下がりました」

 ―安保法制に賛成の人と議論することはあったのでしょうか。

 「『対案も出さないくせに反対ばかり』と言われたことがあります。国際環境への不安から安全保障の仕組みを考えることは必要です。しかし、それならきちっと憲法改正し、その後で議論しましょう、と。今回は憲法という枠を一政権が勝手に破って議論するから変なことになっているわけです」

 ―安倍政権は憲法解釈を変え、閣議決定で集団的自衛権の行使容認に踏み出しました。結局、今何が問われているのでしょうか。

 「三つです。一つは民主主義。選挙だけが民主主義ではありません。市民が日常的に政治とどう関わるのか。そのノウハウが多少蓄積されました。二つ目は立憲主義。『必要だから少しなら憲法を破っていい』という風潮が出てくるようになっていますが、何のために憲法があるのか。それを考える機会になったと思います」

 「三つ目が平和主義です。『中国が怖い』は分かるにしても、安保法制の賛成派は近視眼的で、例えば、10年後の日中関係をどう築いていきたいのか、全く見えない。一方、10年後、20年後の日本・アジアの安全保障をどうするのかの案がないのは、反対派も同じ。きちんと考えなくては、と思います」

【写真】「憲法の話が以前よりも気軽にできるようになった」と話す岡田健一郎氏(高知新聞社)

 


 

 

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