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15年9月30日付・朝刊

高知県関係の6議員が国会を総括

与党「決める責任果たせた」

野党「与党横暴で汚点残す」


 27日に閉幕した第189通常国会は、安倍晋三首相が前のめりで主導した安全保障関連法の審議で戦後最長の延長となるなど「安保国会」一色の様相を呈したが、改正公選法や改正労働者派遣法など選挙権や暮らしに直結する重要法案も成立した。2014年衆院選の自民党大勝で色濃くなった「安倍1強」の強行ぶりも際立った今国会を、高知県関係議員6人が振り返った。

 「従来の自民党本部主導の国会運営が、菅(義偉)官房長官を中心に官邸主導になった」

 自民党の山本有二氏(衆院・高知2区)は安倍1強による「政高党低」化に「民主主義や政党政治に課題を残した」と懸念をにじませつつも、「首相の意欲のあるテーマは、スピード感を持って決められた」とする。

 安保関連法以外にも、選挙権年齢を18歳以上に引き下げる改正公選法、女性活躍推進法、改正マイナンバー法などが成立。高野光二郎氏(参院・高知県選挙区)も「与党として決める責任が果たせた」とする。

 安保関連法審議の影響で政府提出法案の成立率は、前年通常国会の97%から88%に落ちた。企業や消費者の契約ルールを見直す民法改正案などは成立を見なかった。

 福井照氏(衆院・比例四国)は、野党側が審議を空転させる「スケジュール闘争」を要因に挙げながら、「置いてけぼりの法案には国民の利益に通じるものもあったが、犠牲を払ってでも安保法を通す必要があった」と理解を求めた。

 派遣労働者の企業の受け入れ期限をなくした改正労働者派遣法でも野党が激しく抵抗する中、与党が採決を強行。「数の力」への批判が高まった。

 これに対し、高野氏は所属する参院経済産業委員会で「与野党がじっくり審議し、中小企業支援策など経済浮揚につながる法律を作れた」と強調。衆院文部科学委員長の福井氏も「与野党で政府提出法案は全て通した」と胸を張る。安保関連法の担当大臣、中谷元・防衛相(衆院・高知1区)は「少なくとも2014年の総選挙で公約に挙げ、審議でも丁寧に説明した」と訴える。

 ただ、参院選の「1票の格差」是正のため「高知・徳島」などの選挙区を統合する合区(ごうく)導入の公選法改正では、高野氏をはじめ自民党の衆参4人が党に反発。高野氏と自民党高知県連会長の福井氏は採決を退席した(山本氏は欠席)。皮肉にも“身内の数の力”に辛酸をなめさせられる格好に。

 連立与党内の「歯止め役」を期待される公明党の石田祝稔氏(衆院・比例四国)は、中央組織による監査・指導権限をなくす改正農協法(成立)の作成過程で、「与党協議を通じて農協の自己改革を担保する着地点を見いだせた」。政府主導の改革を意図する安倍首相に対し「歯止め」になったとする一方、首相の側近議員らの問題発言などが相次いだ自民党に「数による油断があった」とくぎを刺した。

 一方、参院特別委員会で安保関連法の審議に臨み、政府・与党と相対した民主党の広田一氏(高知県選挙区)は「数さえあれば何をしてもいいのなら、民主主義ではなく多数決主義。終盤の暴力的運営は、議会制民主主義に汚点を残した」と厳しく批判する。

 そうした「安倍1強」を許す背景に野党の「多弱」化が指摘される中、安保審議を通じ野党連携を模索する動きが強まった。「(野党間で)立憲主義や民主主義を守るという土俵は共有できる」と期待感を示す。

 改選期となる来年の参院選を控えながら、民主党の合区対応も絡み、自身の立ち位置は定まらないが、「経済が不安定化し、アベノミクスの化けの皮が剥がれてきた。政権交代可能な野党を望む声の受け皿を目指す」と党再生への取り組みに意欲を見せた。


  

 


 

 

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