安保法制 関連記事

安保法案は何を変えるか

15年9月13日付・朝刊

高知県内の創価学会員、揺れる思い 

賛成の一方、違和感も

安倍首相と公明党の山口代表、公明党本部のコラージュ

 政府・自民党が安全保障関連法案の採決に向けてひた走る中、連立政権のパートナー、公明党の支持母体である創価学会の学会員たちはどう感じているのか――。高知県内各地で声を拾うと、法案賛成の意見に交じり、違和感や疑問を抱いている人もいた。自民党との距離をさらに近くする「平和の党」の歩みに、学会員の心も揺れている。

 8月22日、高知市の自由民権記念館など2カ所で公明党衆院議員、石田祝稔氏(比例四国)の国政報告会が都合3回開かれた。「なぜ今、安保法案が必要か」という石田氏の説明に、計600人以上の支持者が耳を傾けた。

 ■「偏向報道だ」

 安保法案が衆院を通過した7月以降、高知県外では、創価大学の一部教員や卒業生らが「学会や立党の平和精神に反する」として反対運動を起こすなど、公然と反発する動きも出ている。

 一方、高知県内では法案反対を公言する公明党の市町村議員は見当たらない。

 公明党高知県本部代表の池脇純一高知県議は「(安保法案で可能になる)集団的自衛権の行使に、歯止めの3要件を加えたのは『平和の党』としての働き。法案の中身を知らない人が誤解している。支持者から反対の声は聞いていない」と強調する。

 高知市議団の山根堂宏代表も「各地で学習会を開いてきた。マスコミの偏った報道こそ問題」と主張。他の市町村議からも「中国や北朝鮮の脅威に対処するため」「平和のための法案」と、一様に支持する声が上がる。

 創価学会は「世界の平和」の実現を目標に掲げている。高知県内の学会員からも「戦争抑止の法案であり、党はぶれていない」(県中部の80代男性)、「万一の際に国民を守る備えは必要だ」(高知県東部の60代女性)といった法案賛成の意見は多い。

 ■「教えと違う」

 ただ、こんな声もある。

 「名前は絶対伏せてよ」。高知県中部の女性は何度も念を押した後、自宅でぽつぽつ話し始めた。

 何十年も活動する熱心な学会員。選挙のたびに「与党のブレーキ役」と学会員以外にも投票を勧めてきた。

 「イラク戦争、対テロ戦争と、米国の言いなりだった。戦後70年がたち、米国との距離も考える時期に、なぜさらに戦争に加担する法案を通すのか」

 「3要件も時々の政権でどうにでも解釈される。地域集会でも『学会の教えと違う』って声が出ている。中央政界の駆け引きが優先され、私らの思いと離れてきています」

 安倍政権が「歯止め」とする集団的自衛権行使の3要件は「国民の権利が根底から覆される明白な危険」がある場合、などとする。では、どんな場合に該当するのかは「総合的に判断する」(安倍晋三首相)とされ、あいまいなままだ。

 ■「なぜ急ぐ」

 公明党は1999年から、政権交代を挟んで12年以上、自民党と連立を組んできた。自衛隊をイラクに派遣する特別措置法や特定秘密保護法など、世論の割れる法案のたび、自民党との「距離感」が問われた。

 公明党作成のDVDで法案を勉強したという高知県東部の70代女性は首をかしげる。

 「3要件があるから合憲だと言うけど、内閣法制局はこれまで『集団的自衛権の行使は違憲』だと説明してきた。公明党を信頼している。でも、今の説明が信じられるかと言うと…」

 山間部に住む50代の男性は「なぜこんなに成立を急ぐのか。中国や北朝鮮の脅威をあおる自民党の議論に公明党が乗せられていいのか」と語った。

 学会員になって半世紀以上という県西部の70代の男性はまくしたてるようだった。

 「表立って反対だと言う学会員は少ないけど、このままじゃ大変なことになる、と感じてる人は多い。次の選挙も公明党に入れる。でも、今の道は間違ってる」

【写真】安倍首相と公明党の山口代表、公明党本部のコラージュ


 
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