安保法制 関連記事



15年8月31日付・朝刊

安保法案「黙っておれん」

全国反対一斉行動

県内でも「廃案」訴え

安全保障関連法案反対の声を上げた集会

 高知からも「廃案」の声を―。参院で審議中の安全保障関連法案に反対する「全国100万人一斉行動」が30日に全国各地で行われたのに合わせ、高知県内でも集会やシンポジウムが開かれた。高知市で開かれた「戦争させない! 戦争に行かない! 憲法アクションinこうち」には約1500人(主催者発表)が参加。高知県内での安保法案反対集会としては、これまでで最多。「誰の子どもも殺させない」などの思いを抱いた参加者は集会後、「憲法壊すな」「集団的自衛権はいらない」と声を上げながら、高知市中心部をデモ行進した。

 雨がようやく上がった午前11時。「戦争させない! 戦争に行かない! 憲法アクションinこうち」が開かれた高知市の丸ノ内緑地には、若者や親子連れ、お年寄りらが続々と集まり、緑地のほとんどが人で埋まった。

 全国的な呼び掛けに応じて「高知憲法アクション」など県内の護憲10団体が主催。参加者を代表して、「安保関連法案に反対するママの会 高知」を設立した香南市の中村水苗さん(34)が「『もう黙っておれんがやき』の一言でここに立っています」と切り出した。

 「戦後70年、お母さんたちは子どもに命は大切、人を傷つけては駄目、戦争は絶対に駄目と語り掛けてきました。このまま政府が突っ走るのを許してしまったら子どもたちに語る言葉もありません。そんな未来は許してたまるか、なんです」

 続けて、若者を代表して高知市の中平考さん(27)がマイクを握り、その後、集会アピールを採択した。

 インターネットで一斉行動を知り、「高知でも声を上げたい」と初めて参加した若者も多かった。

 高知市の作業療法士、嘉納泰史さん(33)は「今まではおかしいと思ってもすぐに諦めていたけど、もう黙ってちゃいけない。完璧な知識がないと声を上げちゃいけないというムードがあるけど、おかしいと思ったら見える形で声を上げないと、って思うんです」。

 祖母、母、妹と参加したパート従業員、宗光もえさん(23)=高知市=は「難しいことは分からないけど、漠然とした不安がある。将来、戦争になったら子どもを産むのが怖い。巻き込まれたくないと思い参加しました」と話した。

 高知市外から駆け付けた人もいた。幡多郡黒潮町の公務員の女性(44)は、午前9時に自宅を出たという。

 過去に自民党候補に投票したこともあったが、集団的自衛権の行使を容認してからの安倍政権を「許せなくなった」と言う。

 「平和が当たり前じゃなくなりそうな危機感がある。遠いので今まではなかなか来られなかったが、一人一人の参加が全国で大きな力になると思った」

 会場の緑地には高齢者も大勢姿を見せた。

 「足が弱くて、うまく歩けんから」と、少し離れたベンチにずっと腰掛けて集会を見守っていたのは高知市の横田恒夫さん(87)。「国会での政府の言葉を聞いても、道理も理屈もない。もう民主主義じゃなくなっている。政治家の言葉がどんどん空虚になってきた。もう我慢ならん」

 集会後、高知市の中央公園までデモ行進した参加者たちは途中、高知市升形の自民党県連前で「安倍首相は国民の声を聞け」「参院の強行採決も衆院での再議決も許さないぞ」と声を上げた。熱気を帯びた列の長さは600メートルを超えていた。

宿毛市では200人

高知市中心部をデモ行進

 高知県宿毛市では、午後5時半から宿毛市役所横の公園で「戦争法案を許さない幡多の会・宿毛市集会」が開かれ、約200人が参加した。幡多6市町村の代表が「全国の憲法学者が9条違反と述べている。今日本に求められているのは、憲法に基づいて世界に平和と安全の枠組みをつくる外交戦略だ」などと訴えた。参加者はその後、宿毛市中心部をデモ行進し、安保法案の「廃案」を求めた。

高知大生は東京で

 高知県内の学生団体「PEDAL(ペダル)」からはメンバー4人が、大学生らのグループ「SEALDs(シールズ)」の呼び掛けに応じて東京に行き、国会前の抗議行動に参加した。

 高知大学大学院1年の横川和音(かずと)さん(24)は国会前のスピーチで「安倍首相は集団的自衛権の行使が国際貢献になると言うが、米国の戦争に参加することは破壊以外の何物でもない。イラク戦争でそれは明らか」と訴えた。

「安保法案は愚策」大学教授らが高知市でシンポ

 高知市本町4丁目の県人権啓発センターでは30日、シンポジウム「いま、安保法案を問う」が開かれ、憲法、政治、歴史、社会保障の専門家4人が「中国を敵視しながらアメリカに救いを求めるのは愚策だ」などと安保法案の問題点を訴えた。県内の大学教授らでつくる「安保法案に反対する高知の大学人声明」事務局が主催し、約220人が参加した。

 高知近代史研究会の公文豪会長は、自由民権運動のリーダーだった植木枝盛の言葉を引用し、「政府を常に監視し、抵抗することで平和が守られていくことを、日本の歴史や郷土の先人たちは教えている」と語った。

 高知県立大学の田中きよむ教授(社会保障論)は、介護保険や年金の制度を例に挙げながら「(国民の生存権を規定した)憲法25条も憲法9条も形骸化されようとしている。生活困窮の突破口として戦争になった歴史的経緯があり、貧困をなくすことが戦争国家に進むのを食い止める」と訴えた。

 高知大学の岡田健一郎准教授(憲法学)と高知大学の根小田渡名誉教授(政治学)も、それぞれの専門分野から問題点を指摘した。

 「安保法案に反対する高知の大学人声明」への賛同者は今月28日現在で230人に上っているという。

【写真】約1500人が安全保障関連法案反対の声を上げた集会(30日、高知市の丸ノ内緑地)

【写真】高知市中心部をデモ行進しながら「憲法壊すな」「戦争法案廃案」などの声を上げる参加者たち(30日、高知市本町5丁目の電車通り)

 


 

 

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