安保法制 関連記事



15年8月29日付・朝刊

「政治的寄稿注意して」

県財団理事長が坂本龍馬記念館課長の新聞掲載文に口頭注意

高知県立坂本龍馬記念館の前田由紀枝学芸課長のコラム

 高知県立坂本龍馬記念館学芸課長の前田由紀枝さんが寄稿した7月27日付の高知新聞朝刊「新聞を読んで」欄の記事について、高知県立坂本龍馬記念館の指定管理者・高知県文化財団の浜田正博理事長が「政治的な話題」であるとして、前田さんに口頭で注意していたことが分かった。記事は国会で審議中の安全保障関連法案を題材としており、前田さんは「政治的なことを書くのは避けろと言われた」と受け止めている。

 「新聞を読んで」は高知新聞の依頼によって、外部有識者が自由に執筆している。前田さんは「行動する勇気」と題して安全保障法案が衆議院特別委員会で採決されたことを取り上げ、「幕末から明治、大正、昭和を生きた人々の思いの結晶である“平和憲法”が、国民不在の中で揺るいでいいのか」と記している。

 高知県文化財団の浜田理事長によると、記事掲載後に外部から「公務員がこういうことを書いていいのか」との電話があった。浜田氏は「公務員ではなく、団体職員だ」と説明する一方、前田さんと8月5日に理事長室で面談し、電話があったことを伝えた上で「政治的、ホットな話題については特に注意して」と述べたという。

 取材に対し、浜田氏は「高知県職員が書いたとの誤解が生じてはいけない」と述べ、坂本龍馬記念館学芸課長の肩書を使ったことが問題だったとの考えを示した。「外部」が誰であるかは、明かしていない。

 一方、前田さんは「自分の意見を書くのでなければ、書く意味がない。(記事は)誰かを中傷しているわけでも、特定の政党の支持を呼び掛けているわけでもない。個人にはいろんな考えがある。肩書の有る無しで注意(の対象と)することは問題がある」と話している。

 前田さんは公務員ではなく公益財団法人の職員であり、地方公務員法の政治的行為を禁じた地方公務員法の規定は適用されない。高知県文化財団の内部規定にも、職員の意見発表に関する決まりはない。

 坂本龍馬記念館の森健志郎館長は「前田課長の記事がおかしいとは思わないし、注意することでもない。外部の指摘に対しては『問題ない』ということを説明すれば済む話ではないか」としている。

高知県文化財団理事長の発言(要旨)

 浜田正博・高知県文化財団理事長の高知新聞社取材に対する主な発言は次の通り。

  ◇  

 前田氏は財団職員で公務員ではないが、現に「高知県職員が主張している」というような(誤解の)指摘が外部から1、2件程度あった。「高知県立坂本龍馬記念館学芸課長」という肩書で記事が出るのは問題だと思ったから、「誤解を与えないようにしてください」と注意した。高知県文化財団として処分を行ったというわけではない。

 「政治的なことを書くのは特に注意してね」と言ったが、政治的な問題を記事で取り上げるな、という意味ではない。警告や圧力の意図もない。仮に「団体職員」だけの肩書で掲載したのだったら、注意しない。

 (政治的問題については賛否を鮮明にするなということにならないか、との問いに)普通、公務員なら(当該の記事のようなことは)言わないので、誤解されないように気をつけてね、ということだ。

【写真】高知新聞に掲載された高知県立坂本龍馬記念館の前田由紀枝学芸課長のコラム

 


 

 

総カウント数
本日は
昨日は

 ・「安保法制 関連記事」トップページへ
 ・高知新聞フロントページへ